朝から雪が降っている。
こんな寒い朝は、駅までの
道のりも普段より長く感じる。
誰もがエリを立てて
ここを通り過ぎていく。
私は一人、駅のホームで
立っている。
マフラーをほどかんばかりの
風が私の横を通り過ぎる。
雪は容赦なくふり続け
やがてはあたりを白く染める。
ホームの端っこで若いカップルが
深刻な顔でうつむいている。
きっと別れ話だな
理由もなく悲しい歌が
聞きたくなる。
『君に出会ったとき
僕は泣いていた。
今、君の事を忘れようと
努力している。
愛ってヤツはあんなにも
甘くてそして寂しい
君を手に入れたとき
僕は泣いていた。
でも君は僕から離れていくから
僕は死んだも同然だ
そんなに僕の事をさげすまないで』
誰かを愛するっていうのは
誰かに依存するってことと
同義だろうか?
家族や恋人や友人を
愛しているのと同じくらい
依存していることに
気づく。
だから愛する人を失うと
こんなにもつらいのだろう。
雪は更に激しさを増す。
電車が近づくとそのカップルは
こちらに近づいてきた。
彼女のほうが彼氏を支えるように
歩いている。
私は電車に乗り込む
彼らも同じ車両に乗り込んできた。
悲しい歌が聞こえてきそうだ。
私は詩人にでもなったつもりで
心の中で二人を励ます。
愛し合ってたんだろ?
依存してたんだろ?
つらいよな?
でも新たな人生の
スタートだよ。
二人は車内の人ごみに
押されこちらに更に
近づいてきた。
『きっと誰かが届けてくれるよ』
彼女が彼氏にささやく。
『現金はあきらめるよ』
なんだよ。
財布落として落ち込んでただけかよ。
折角、詩人になったのに。
雪は必要以上に
私を感傷的にさせていた。
センチメンタル
合掌
コレ好き^_−☆
ありゃま(笑)ドンマイ(笑)