自分の方が相手より
優位な立場にあると
いうことを
相手に対して
常に示していたいと
思う奴に
碌な奴はいない。
例えばこんな会話。
『昨日飲みに行ったんだけどさ
すっげえ飲んじゃって、結局さ
二人で焼酎2升くらい飲んだよ』
『マジで!!?
俺も昨日飲みに行ったけどさ
やっぱ飲みすぎちゃって
2升5合飲んじゃったよ』
まあ、この会話の場合
最初の2升飲んだって話も
怪しいんだけどさ。
でもね、どうして
相手よりちょっと多く
申告するのかね?
『嘘つけ、お前そんなん
普段飲まんやん!』
『いや、マジで2升5合よ。
あれやね、ますます繁盛やね』
ああ、それね。
日本古来からの言い回しね。
1升は「1マス」とも
読むから2升5合は
マス、マスと1升の半分で
半升と繁盛ををかけた
例のあれね。
『春夏冬』
って書いて「商い(秋ない)」
みたいなやつね。
『あ、俺ねビデオカメラ
買ったんよ。
最近の奴はすごいね
ハードディスク内蔵とかでさ、
ハイビジョンで50時間
録画できるんやって!』
『ああ、どこのメーカー
買ったん?』
『日立やけど』
『ああ、俺んちのは
パナソニック』
何?
何そのマウントの取り方?
ってゆうか
パナソニックって日立より
上なん?
日立の上に立ちたい場合は
パナソニックなん?
『で、俺のは60時間録画』
ああ、10時間ばかし
上乗せしてきやがったか。
『すごいな。じゃあ家の
テレビは何インチ?』
『ああ、何インチやったっけ?
お前んちは?』
ははあん。
先に言わせて
マウントを取る作戦か。
『いや、お前から先に
言えや。』
『ああ、55やったかな?』
よっしゃ!
勝った!
今度こそ俺の勝ちや!
『ウチは60インチの液晶ぜ』
『ああ、そうなん』
あれ、全然悔しがらんやん?
『でもウチ有機ELやけ』
ユ、ウ、キ?
イー?エル?
『え?』
『ああ、有機EL。
知らんと?』
『ああ、うん。初めて
聞いた。』
『めっちゃ画質がイイんよ
これ1回見たらもうね
液晶には戻れんよ』
『お、おう。
そうなんや?
ゆ、ゆう何やったっけ?』
『有機ELね。
次は有機EL買った方が
いいぜ。』
『そ、そうやな』
『パナソニックにしとけ』
どんだけパナ好きなん
トモダチナクスゾ
合掌