755発目 聞かずに一生の恥をかく話。


世の中にあふれている
様々なブランドは
その名前が英語だったり
フランス語、イタリア語
などなど、多岐にわたる。

 

英語なら、なんとか
読める。

 

ところが、それ以外の
言語の場合、読めたとしても
それが正解かどうかが
確かめるすべがない。

 

昔の人はよく言ったものだ。

聞くは一時の恥
聞かぬは一生の恥

 

分からない時は
誰かに聞けばいい。

誰に聞いたら良いか
分からない?

 

そんな時はやはり
Google先生じゃね?

 

例えば私の場合

その昔、若者の間で
爆発的に流行した
ファッションブランドの
読み方が分からなかった。

その頃の私はまだ
二十歳そこそこで
Google先生はおろか
インターネットさえ
この世の中にはなかった。

だから勘で読んだ。

 

『アンセム?』

 

違うよ。

 

正解は

 

 

そう。
ステューシーだ。

 

有名すぎて
誰も間違わない?

 

そんなことはない。

 

出たての頃は
そこまで有名じゃないから
読めないやつの方が
多かった。

 

だが、正解を知らないのなら
読まないほうが良い。

なぜなら

恥をかくからだ。

 

私はこの時、
割と早めに白旗を挙げた。

 

『ごめん、なんて書いとるか
全然分からんわ。』

 

と、このブランドの
Tシャツを着ている奴に
素直に聞いた。

『字が下手』

とさえ、言った。

 

『ああ、これね。
ステューシー。』

 

このやりとりのおかげで
私はその後の人生において
ステューシーを読める人生を
送ることができている。

 

キャンプを始めてからも
この手の壁に何度も
ぶち当たっている。

 

THOR とか
Thule とか。

 

毎回、この手の
ブランド名には
辟易としている。
カタカナで書けよ!と。

 

だから、

読めないのに
さも読めるかのように
間違った読み方で
話しかけてくる奴には

『誰かに聞けよ!』

と思うし、そう告げる。

聞くは一時の恥だぞ、と。

 

コロナ禍だというのに
相変わらず帰りの電車は
満員だった。

 

私の乗った車両の
私の前に立つ女性二人は
どうやら友人同士のようだった。

 

『飲みに行きたいね。』
『そうだね。』

 

と当たり障りのない
会話をしている。

 

と、一人の女性が
こう言った。

 

『リモート飲み会やる?』

 

言われたほうの女性は

『え?やったことない。
面白いと?』

 

『うん。私もこないだ
初めてやったんよ。
同期入社の大阪の子と。
あれ、知ってる?
200メーター』

 

200メーター?

 

知らないな。

 

『え~?知らない
何それ?』

 

『なんかさ、私も
初めて聞いたんだけど
今、流行っとるらしいよ。
会議でも使う企業が
あるんだって。』

 

ああ、君。
それはあれだよ。
多分だけど

 

 

確かに200メーターと
読めないこともない。

 

きっと彼女にこれを
教えた奴が間違って
それを彼女が間違ったまま
覚えて、この子に教えてるんだな。

 

これ以上、被害が拡大する前に
私が彼女たちに教えるべきだ、
あれを言うべきだ。
聞くは一時の恥だぞ、と。

私の正義感がむくむくと
膨らんできた。

 

だが、一足早く
むこうに立つ若いお兄ちゃんが
彼女たちに話しかけた。

 

『あの、すみません。
それ、たぶんやけど
ゾームのことじゃないっすか?』

 

『あ、あれゾームって
読むんですか?
いやぁん、恥ずかしい!
ありがとうございます。』

 

違うよ
違うんだよ。
でも
面白いから
そのままに
しておくよ。

 

こうして
若者たちは
一生の恥を背負って
生きていくのだな。

 

若いって
いいなぁ。

 

「Supreme」モヨメナイ

 

合掌

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