747発目 オッサンVSおっちゃんの話。


ライナーノーツ

大事なのは定義でもなければ
年齢でもない。

見た目と振る舞いだ。

 

先日、誕生日を迎えたことで
筆者は50歳になった。

 

かつて若いころは
自分にそんな時代が
来るなんて夢にも
思ってなかったが
50歳という人生の節目とも
言える年齢になった。

 

夏の終わりごろから
ダイエットを始めていたので
多少おなか周りが
引き締まってきた。

 

何が言いたいかと言うと

 

50歳だが、まだまだ
オッサンじゃねえぞ~

 

だ。

 

いや確かに
自分のことを
オサーンと表現したりも
してはいる。

 

だがそれは、そうだな、
なんというか、照れ?
違うな。
ああ、あれだ
謙遜だ。

 

私自身は自分が年老いたとも
思ってなければ
なんやったら
そこら辺の50歳よりも
ずっと若々しいと
思っている。

 

ただ、そう思っていたのは
どうやら私だけだった。

 

 

私が勤める会社のオフィスは
とあるビルの4階にある。

4階のワンフロアすべてを
私の勤める会社が借りている。

4階より上の階も
そのほとんどがオフィスで
つまり何が言いたいかというと
不特定多数の人が出入りする
ビルではないということだ。

 

で、あるにもかかわらず
その日、そのビルに
一匹のオッサンが迷い込んでいた。

 

オッサンはそのビルの3階にいた。

 

オッサンが発見されたのは
午後12時を10分足らず
過ぎたくらいだった。

 

私はエレベーターホールで
上階にいるエレベーターが
降りてくるのを
待っていた。

やがて扉が開き
私はそのエレベーターに
乗り込んだのだが
お昼時ということもあって
4階の時点ですでに
箱の中は満杯だった。

 

ビルの構造をもう少し
説明しておこう。

4階は我が社。

そして3階は月極駐車場に
なっており、駐車場を
利用する人はたいてい
階段を利用して向かっているらしい。

そして2階にも若干オフィスが
あるのだが、彼らこそ
健康のためにワンフロアくらい
階段を使おうという
心理が働いているのか
2階でエレベーターが
止まった経験がない。

 

つまり、だ。

 

今回、この満杯のエレベーターに
4階で乗った私が最後の客で
そこに乗っている全員が

『次は1階に止まる』

と信じて疑ってなかった。

 

なのに

なのに。

 

オッサンは空気が読めない。

 

その日ビルに迷い込んだ
オッサンは3階から
満杯のエレベーターに
乗り込んできた。

 

箱の中が全員の

『イラっ』

で一瞬、膨らんだような気がした。

 

オッサンは、つづけた。

『すみません。1階を
お願いします。』

 

は?

 

はあ?

 

はあぁ?

 

オッサン、お前
このお昼時に
3階からエレベーターに
乗り込んできて
『1階をお願いします』
だあ?

じゃあ、なにか?
お前はこの状態で
誰も1階を押してないと
思ったってことか?

 

どこに行くん?
これだけの人たちが?
2階?
2階で全員降りると
思ったと?

 

オッサンは余計なことを言う

 

ワタシだけでなく
その箱にいる人たち
全員が、からだ中から
『イラっ』を
放出していた。

『イラっ』を出してないのは
オッサンくらいだ。

オッサンは、つづけた。

『押してくれた?』

 

は?

 

はあ?

 

はあぁ?

 

 

も~う、我慢できない。
私はこういう時、
黙ってられない性格だ。

 

『あのね、オッサン。
心配せんでもこのビルには
地下はないし、あったとしても
1階では止まるよ。』

『ああ、そうね。
そんならヨカばい。』

 

イラっ

 

ああ、出た。
今日イチのイラが出た。
コロシたい。
このオッサンを
コロシたい。

 

 

そうこうしてたら
箱は1階に到着し
扉が開いた。

 

全員がイラの充満した
箱から脱出できたことと
この奇妙なオッサンとの別れに
心底安心したようだった。

 

ワタシはつづけた。

 

『ね?大丈夫やったろ?』

 

『ああ、そうやね。
助かったわおっちゃん。』

 

オッサンはそう言って
そそくさとビルから
出て行った。

 

ん?

 

何て言った?

今、何て言った?

 

俺の事

おっちゃんて言ったやろ~

 

オッサンはすでに
姿が見えないくらい
遠くにいた。

やっぱり
俺もオッサンなんかな~

ワカガエリタイ

 

合掌

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