741発目 それ誰?という話。


ライナーノーツ

いやさ、びっくりしたね。

 

何がって?

 

時代の流れっつうか
置いてけぼり感っつうか。

 

とにかく
『ああ、俺もう
若くないんだ』
ってことをさ、
思い知ったね。

 

その日の午後

 

お昼ご飯はだいたい
誰かと一緒のことが
多いんだよ。

部下っつうか
太った後輩っつうか。
太った部下?

太ってるくせに
少食だから
ちょっとむかつくの。

でもその日はたまたま
太った部下が発熱して
急遽休暇を取ったわけ。

 

キュウキョキュウカって
早口言葉みたいね。

 

あいつ、太ってるから
言えないだろうな。

『ちゅうとぴゅうかを
下さい』

ってなるぜ、きっと。
太ってるから。

 

で、久々のお一人さま昼食だ!
ってワクワクしてたの。

 

何にしようかな?
定食?ラーメン?
カレー?
もう何でもいいのよ。
好きなものをお食べ。

って自分に
言い聞かせてさ。

 

太った部下とだったら
絶対行かないようなとこに
行ってみるか、って
思ったのは目的地近くの
繁華街に到着したころ
だったんだ。

 

目の前におしゃれな
カフェが見えたわけ。

 

若者が行きそうなとこ。

 

じゃ、俺は?

今年で50歳だから
若者ではないな。
けど、イケるやろ?
気持ちは若いから。

 

そうやって自分を
励まして、店のドアを
開けたんだ。

 

聞こえてきたのは
信じられない会話。

 

可愛らしい店員さんに
案内されて丸いテーブル席に
座らされた。
店内は若い子ばかっりだから
ちょっと緊張してきた。

その俺の席の横にさ
ちょっと年増の女と
若い女が座ったわけ。

 

年増の女は
多分それでも
俺よりは若いかな?
綺麗な顔立ちをしてる。

若い女は甘ったるい声で
しゃべる俺の嫌いなタイプ。

 

で、その年増の女が
綺麗な顔立ちで
しゃべりだしたんだ。

 

『昨日ね、ヨドバシに
行ったんだけどさ
CDコンポって
あんまり売ってないのね?』

 

へえ、そうなん?
と思ってたら
若い女がベチャ~っとした声で

 

『え?ササキさん、
CDコンポ買って
何するんですか~?』

 

だって。

 

ぷぷぷ。

お馬鹿ね。

CDコンポ買うってことは
CDを聴くんだよ。
そんなことも
分からんのかい?
馬鹿だね。

 

『え?だって
CD聴こうと思ったら
CDコンポないとさ、
聴かれんやん?
もしかして
アヤちゃん、
パソコンで聴くと?』

 

そうそう。
当然の疑問だね。

 

『てゆうかCDって
私、一枚も持ってませんよ。』

 

『え?じゃあ
普段はあんまり音楽とか
聴かんの?』

 

『いえ。米津とか
めっちゃ好きです。』

 

『え?え?
CDで聴かんのやったら
どうやって聴きよるん?』

 

そうだそうだ!

 

『大体、ストリーミングとか
ダウンロードとかですかね。』

 

まじか・・・・

 

『CDって一回も買ったこと
ないかもです。』

 

まじか・・・・

 

『そうなの・・』

 

あ、年増も絶句してる。

 

『ああ、でもさ
CDの存在は知ってるよね?』

 

『知ってますよ。
もちろん。』

 

『何の略かは
知ってるよね。』

 

『ああ、それは
分からないかも。』

 

まじか・・・・

 

少女よ。
おじさんが教えちゃろう。

CDってのは
チャーリー・ダグラスが発明した
コンパクトディスクの略で
音楽データや画像データなどの
保存に使われるんだよ。

 

『ねえアヤちゃん、
ストリーミングって何?』

『ああ、ラジオの生放送とかを
インターネットで聴くやつですよ。』

『インターネットで
ラジオを聴くの?
まるっきりイメージが
つかないんだけど・・
おばさん、もうだめ
ついてけない・・』

 

頑張れ年増!
あきらめるな!

俺もびっくりしてる。

下手したら
この世の中から
CDがなくなるんじゃ
ないか?って。

 

若いつもりでいたけど
知らないうちに
時代に取り残されてた。

そして知らないことを
年齢のせいにしていた。

 

そんなんじゃだめだ!

もっと勉強すべきだったんだ!

 

アラフィフのみんな!

反省しよう!

そしてもっと
勉強しよう!

 

あと、
チャーリー・ダグラスって
誰~?

 

ワカガエリタイ

 

合掌

 

 

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