739発目 本当はおしっこなのにウンコと思われたんじゃないかって話。


ライナーノーツ

なす術もなく、

とは、こう言うことを
言うんだな。

 

私はその現象を
黙って見つめることしか
出来なかった。

 

愕然と哀しく、
そして虚しかった。

 

楽しいはずの
沖縄の空は
猛烈な雨のせいで
ちらりとも
見えない。

 

この話をするためには
まず、男性における
3つのスタイルを
説明する必要が
あるだろう。

 

女性の中には
ご存じない方も
いらっしゃるだろうが
実は男性には
大きく分けると
3つのタイプが
あるんだ。

 

何が?

 

おしっこの仕方。

 

今日は、まず
これら3つのスタイルの
違いと特徴を
学んでいただこう。

 

①1点突破
レーザービーム型

 

ズボンのチャックを開け
下着の窓をこじ開け
アレを取り出し
右手もしくは
左手を添え

出す。

その構え方や
アレの出てくる様が
まるでレーザービームを
放っているような
ことからこう呼ばれる
ことになった。

冬場に
ももひきやタイツ等の
防寒着を装着した時には
アレを出しにくい
という難点がある。
また、アレの根元を
多少押さえつけて
いるので、
歳を重ねるごとに
残尿が大量が出る。

チャックに
アレが挟まり
この世の終わりを
迎えた男性は
星の数ほどいる。

 

②懸垂スタイル
上からこんにちは型

 

ウエストが
ゴムでできている
タイプのズボンの場合
上の部分を
グイっと下げて
アレをグイっと
持ち上げて
下げたズボンの
ウエスト部分を
左手の親指で
押さえたまま

出す。

アレのソノ部分が
まるで鉄棒の上から
覗き込むようにしている
亀のようなことから
こう呼ばれることになった。

親指の押さえが
イマイチだった場合
残った尿が
下着の中で広がり
その日は一日中
不快な思いをしなくては
ならなくなる。

 

さあ、そして
3つ目のスタイル

 

③大解放
フルオープン型

 

①もしくは②の
スタイルで
尿を放ってきた
殿方たちも
度重なる残尿や
尿漏れに悩まされ
最終的に行きついたのが
このフルオープン型だ。

 

立小便の
最終形とも言われ
機動戦士ガンダムで
いうところの
アバオアクーとも
言われている。

ア・バオア・クー

 

文字通り
ベルトを外し
チャックを開け
両脚をガッと
開きズボンが
落ちないように
細心の注意を
払いながら
アレのどの部分にも
余計なストレスを
かけずに
そして一滴の
残尿も残さない
という気合の元

出す。

 

猛烈な勢いで
雨が空から
落ちてきている。

沖縄の空は
それでも
明るかった。

気温も30度を
越えている。

クールビズなど
歯が立たないほどの
暑さに加えて
この雨だ。

取引先の訪問でさえ
上着を脱いで
行くことにした。

普段なら
上着の内ポケットに
収納している
携帯電話は
スラックスの
後ろポケットに
入れておく。

 

取引先では
キンキンに冷えた
さんぴん茶が
私を迎えてくれた。

 

行く先々で
さんぴん茶と
アイスコーヒーを
出された私に
利尿作用が
一気に襲ってきた。

 

『失礼、手洗いを
借ります。』

 

客の同意を得て
私は手洗いへ入った。

 

古いビルの手洗いは
ビルと同じだけ
古かった。

床は濡れたまま
この雨のせいで
一向に渇く気配は
見せてなかった。

 

それでも
比較的床が濡れてない
一番手前の小便器に
狙いを定めた。

便器の真下は
濡れていたので
その水たまりを
避けるように
両脚を開く。

ちょうど
肩幅の倍くらいだな。

膝を若干外に
開く感じで踏ん張る。
ベルトを開け
スラックスのボタンを
外す。
チャックを下ろし
スラックスの前部分を
ばい~んと大開放する。

下着の窓を開け
ようやくアレの出番だ。

恭しくアレをつかみ
そっと愛でるように
下着の窓から出してくる。

と同時に勢いよく
噴出される、尿。

ああ、さっき飲んだ
さんぴん茶と
同じ色だな。

その時、
スラックスに
異変が生じた。

いつもと違う
重力がかかっている!

なんだ?

何が起きている?

下がって行くぞ?

 

スラックスが
音もなく
下へ下へと
下がって行くのだ。

 

手を差し伸べたい!
だけど今は両手とも
アレへの介助で
手が離せない!!

両脚をもう少し広げて
踏ん張ってみる!

 

だが、スラックスの落下は
止まらない!

 

どうしたんだ?

一体、何が?

 

何が起きてるんだ!

 

stop falling down!

 

くそう。

 

英語で叫んでも無駄か!

 

やがて
放水が終わると同時に
スラックスは
床へ着地、いや
着水した。

 

あの
水なのか
誰かの小便なのか
判然としない
液体の中に
私のスラックスは
落ちて行ったのだ。

 

何故?

 

スラックスを
上げようとして
気がついた。

今日は後ろポケットに
携帯電話を
入れていた。

その重みで
下がったのだった。

 

教訓;

後ろのポケットに
携帯電話を入れた時は
残尿覚悟で
レーザービーム型で
おしっこをしよう!

 

ウンコイジョウニ
ジカンガカカッタ

 

合掌

 

“739発目 本当はおしっこなのにウンコと思われたんじゃないかって話。” への1件の返信

  1. アバオアクー笑
    全部読み終わって改めてタイトル読んだらジワりました

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