738発目 公序良俗に関するとっても真面目な話。


私の正義感は一つのマグカップで
いとも簡単に崩れるのであった。

 

 

買い物などで商業施設に行くと

駐車場のスペースに車椅子のマークがついた

ひときわ広いスペースがあるのを

見たことがない、という人がいたら

私はその人のことを嫌いになるだろう。

 

いや。

 

むしろ軽蔑してしまうだろう。

 

車椅子を利用する人は

車から乗り降りするときに

ドアをばい~んと開けないと

上手くいかない。

 

だから基準では横幅の広さを

350cm以上と定めている。

 

それだけの広さがあれば

介助者と並んで乗降していても

隣に停車中の車を傷つけることなく

また、気にすることなく作業できる

充分なスペースだ。

 

車椅子を使わない人は

狭いスペースに停めろ。

 

お前らが、車いすも使わないくせに

そこに停めると本当に必要な人が

使えなくなるだろ?

 

困るだろ?

 

大きな商業施設だと

例えば駐車場の総台数が

200台以下ならば、50分の1以上、

つまり最低でも4台は設置するように

法律で義務付けられている。

 

 

どうだい?

 

多いかい?

 

少ないと思っただろ?

 

車椅子スペースは200台のうち

4台以上しかないんだぜ?

 

その4台のうちの1台を

お前らみたいなクソッタレが

使っていたら、車いすの人は

どうしたらいいんだい?

 

待つのかい?

 

見ず知らずのクソッタレが

買い物を終えて出てくるのを?

 

そんな不条理な話はないな。

 

やけに真面目な話だな?
どうしたヤマシタと思ってるな。

 

会社の先輩と早良区にある

マークイズという商業施設に

行った時の話だ。

 

マークイズ

 

場所はここ。

 

 

ここにはJACK&MARIEというお店が

テナントとして入っている。

このお店はオートバックスセブンが

運営しているお店で、ミリタリー調の

商品ラインナップが私のお気に入りだ。

 

先日、ここで洗車用のホースを

購入したのだが、

GORDON MILLER

色といい、サイズといい

私好みの商品だったので

仲の良い会社の先輩に

紹介してみたんだ。

 

すると、その先輩も

 

『おお。カッコいいな。

今度、一緒に行こうぜ』

と同意してくれた。

 

 

 

その話をした数日後に先輩と一緒に出掛ける

機会があって、たまたま近くを通るから

寄ってみることにした。

 

道中、助手席に座る先輩が

プライベートな話をしてくれた。

 

お父さんが入院していること。

そのお父さんが入院した病院に

弟が脱腸で入院したこと。

 

『わざわざ親父の病院に

入院するこたぁないのにな?』

 

恥ずかしい、と。

更に脱腸なんて小さい子供が

罹る病気になったことも

ちょっと恥ずかしい、と

まるっきり恥ずかしくなさそうに

話してくれた。

 

そうこうしてたら

目的のマークイズに到着した。

立体駐車場をグルングルンと回りながら

空車のサインが出ている階まで

上がって行く。

 

ようやく空きのある階にたどり着いたが

そこもほぼ満車の状態だった。

 

『こいつらは平日の昼間に

いったい、何をしよるんかの?』

 

と憤る先輩の横で

「ま、俺たちもやけどね」

と心の中でつぶやいた。

 

『ヤマシタあそこ。

あそこの車椅子のスペースは

どうかいな?』

 

あろうことか、先輩は店舗入り口ちかくに

設置された車椅子スペースを指さして

きたんだ。

 

私の正義感はたとえ相手が先輩であっても

簡単に揺らいだりはしない。

 

『だめに決まってるでしょうが』

 

私はぴしゃりと言ってやった。

先輩は名残惜しそうに

『弟が脱腸やけど

だめかいな?』

と聞いてくる。

 

車に貼るステッカーで

車椅子のマークはあるけれど

弟が脱腸のマークはない!

 

結局、入り口から随分と離れた

ところに空きスペースをみつけ

そこに停めた。

 

エスカレーターを使い、目的の

テナントまで行くと、先輩はすぐに

色んな商品を手に取り、店内を

うろうろしだした。

 

『ヤマシタ、これ見てみ。

カッコいいぜ』

 

『あ、これもヨカねぇ。』

 

そしてあるマグカップを

みつけて持ち上げながら私を呼んだ。

 

『ヤマシタ。これ買おうぜ。

そして今度のキャンプに持って行こうぜ。

お揃いやん。』

 

私もそのマグカップは気に入ったので

先輩と色違いを購入した。

 

 

持ち手がカラビナになってるところが

とても気に入ってしまった。

カラビナ付きマグカップ

と呼ぶらしい。

なにもしなくても笑顔になる。

 

先輩と「いい買いものしたな」とか

話ながら駐車したところに戻ると

車椅子スペースに停めた車から

明らかに車椅子に乗ってない

若いカップルが降りてきた。

 

私の正義感は彼らに注意をせよ!と

警鐘をならしている。

 

私の殺気に気がついた先輩が

 

『まあまあ、ヤマシタ。

あいつらの弟が脱腸かもしれんぜ』

 

そんなはずはない!

許せない!

 

『でもよ。マグカップ買ったやんか。

早く使いたいな?これ』

 

・・・・

 

・・・・・

 

 

『ですね~(笑)』

 

こうして私の正義感は

軽~く崩れ去りましたとさ。

 

ハヤクキャンプイキタイ

 

合掌

 

 

 

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