717発目 社会で活躍する女性と活躍できない男性の話。


ライナーノーツ

男女雇用機会均等法が

施行されたのは、

ブルーハーツが

メジャーデビューした年だから、

1986年だ。

あれから30年以上が経過し、

様々な企業でも、女性管理職の活躍が

目立って来た。

 

その日も、よく行く居酒屋で

飲んでいると

女性管理職と思しき方が

新人のような若い男の子を

連れて入って来た。

 

2人は店員の案内で

私と私の連れが座るテーブルの

隣に通された。

 

いつものように
プロフィールを
想像の中で作り上げる。

 

女性管理職の方は、
年齢40くらい。
バツ無し。上昇志向が強く、
当時付き合ってた彼氏に
「仕事とオレ、どっち取る?」
と言われ仕事を取った。
後悔してないと言えば
嘘になるが、
認めたくない。
栃木県出身。
常に自分が中心じゃないと
気が済まないタイプ。
ゴレンジャーで言うと
赤レンジャー。

 

一方、新人君は見た目こそ
すっきりしているが
どこかオドオドしており
気弱そうに見える。
猫背な姿勢がなお一層
気弱さを際立たせている。
集合写真では必ず一番後ろの
端の方で目立たず。
同窓会で久々に会った同級生に
「初めまして」
と名刺を出された経験あり。
広島県出身、童貞。
ゴレンジャーで言うと
ショッカー。

 

ま、そんなとこだな。

 

 

『ヤマサキ課長、今日は
ありがとうございました。』

 

新人君が消え入りそうな声で
女性管理職あらため
ヤマサキ課長に言った。

 

『ったくさぁ。あれくらいで
びくびくしちゃってさぁ。
マルヤマ君も男でしょ?
もうちょっとしっかり
しなさいよ。』

 

新人君あらため
マルヤマ君は
ヤマサキ課長の叱咤に
猫背をますます丸めて
机の下に隠れそうだ。

 

しかしあれだな。

男でしょ?って

いまだとセクハラじゃない?

 

アウトだよな。

 

でも大丈夫。

マルヤマ君は気弱で

童貞だから反論はしない。

 

『その背中を丸めるのも
止めた方がいいよ。
マルヤマ君ってさ、
普通の事を言ってても
何だか相手をムカつかせるんだよ。
相手をムカつかせるプロだよね』

 

おい!

ヤマサキ課長!

それはいくら何でも
言い過ぎじゃないか?

 

マルヤマ君も
怒っていいんだぞ!
言ってやれよ!
男らしく、ガツンと!

 

『あぁ、すみません。』

 

だめだ。
マルヤマ君、すっかり
萎縮しちゃってる。
気弱で童貞だから
しょうがないか。

 

『マルヤマ君って
彼女いんの?』

 

『いえ。。。。。』

 

『もしかしてさぁ、
いない歴と年齢が同じ?』

 

『ああ、まあ、はい』

 

ほら、童貞やん。
決定やん。
でもマルヤマ、いいんぞ!
別に童貞でもいいんぞ!
気にするな!

 

『やだぁ、今いくつだっけ?』

 

なんかこのヤマサキ課長に
ムカついてきたな。

 

『ああ、27です。』

 

いいやん!
別に27で童貞なんか
そんな珍しくないやん!

いや、
珍しいか。

 

『ちょっとはさぁ
女性と触れ合った方がいいよ。
ウチの顧客って
女性の比率高いんだから。
マルヤマ君が担当すると
必ずクレームになってんだから。
女性の気持ちにというか
相手の立場に立って
考えるっていうかさ。』

 

『ああ、自分では
そうしてるつもりなんですけど。
どうしても女性の前に立つと
あんまり喋れなくなって。。。』

 

おお。
そうか。
マルヤマ君、女性の前だと
喋れなくなるのか。

その気持ちは
私には理解できないが
心配はいらないよ。
私は君の味方だよ。

 

『あのさ、どうやったら
相手が喜ぶかって
考えたことある?』

 

『あぁまあ、一応。』

 

『じゃあさ、教えてよ。
マルヤマ君が思う
女性が喜ぶことって何?』

 

うつむくマルヤマ君が
周囲を気にしてるのか
左右をきょろきょろと見ている。

 

隣のテーブルの
私と目が合った。

 

私は彼の目を
まっすぐにみつめて
心の中でGOサインを出した。

 

~行け!マルヤマ!
バシっと決めてやれ~

 

意を決したマルヤマは
言った。
(いつの間にか呼び捨て)

 

『多分ですけど。。。』

 

早く言えよ!

『早く言いなさいよ』

 

『エクスタシーだと思います。』

 

 

ある意味正解だとは思いますが
ヤマサキ課長いかがでしょうか?

 

『何言ってんのよ!
ある意味、正解だけど。』

 

セイカイナノカ!

 

合掌

 

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