味噌ラーメンを食べていた。 おいしいか?と問われれば答えはNOだ。この先どんな味噌ラーメンが私の前に現れようとも、私がそのラーメンを好きになることはない。そんなことを考えながら、店内から窓の外の景色に視線を移した。 道路を挟んで向こう側には4階建てのビルが建っている。1階のテナント部分に新聞の販売所と電力会社の出張所が入っていて、それぞれが独自のデザインの看板をあげている。
北海道新聞と北海道電力だ。このネーミングにも違和感を感じる。全国の都道府県の中で「県」や「府」を会社名に付けているのは見かけない。もし名前にそれを入れるとしたら「県立」や「府立」などの公的機関だけだろう? なのに北海道だけは堂々と「道」を名乗るんだ。民間企業なのに。(あ、ダジャレになっとる)
まあ、いい。 そこは許すとしても、これだけは許す気はないぞ。そもそも私は省略することが嫌いだ。ただ、今回私が腹を立ててるのは、そのルールの統一感のなさ、だ。
北海道に来て2年が経過したのに、いまだに北海道のルールの統一感の無さに辟易とする。
具体例で説明しよう。
北海道新聞と北海道銀行は共に札幌市内はおろか、北海道内で知らない人はいないだろう、というくらいの有名企業だ。市民の生活にも欠かせない会社の一つだろう。 道民はこれら2社を、おそらく親しみを込めてこう呼ぶ。
「道新」と「道銀」だ。 それぞれ「どうしん」「どうぎん」と読む。
なるほどな。 北海道の「道」を取ったんだな。 これがスタンダードなのか?
と、思いきや、だ。
前述の北海道電力は「北電」つまり「ほくでん」と略すのだ。
何故だ?
何故、ここで「道電」と呼ばない?
ある道民がこう言った。「北洋銀行と間違うから北海道銀行は道銀って呼ぶんですよ。」と。関係ないやん!北海道電力と関係ないやん!
そして、もう一つ、私をイライラさせる会社名がこれだ。
「北海道ガス」 略して「北ガス」
はるほどね、じゃあ、あれだ。エネルギー系は「ほく」って略すんだね?
「ほくガス」だろ? 違う?「きたガス」? え? なんで? なんで急にここに来て「きた」って読むん? なんで北海道電力みたいに「ほくガス」って略さない? ルールは?ルールは無視なの?北海道大学のことは「ほくだい」って言っとるやん!
もういい!
俺がルールを決める!
今後、北海道を社名に付けてる企業を略すときは全て「北〇〇」と略すことにする。読み方は「ほく」もしくは「ほっ」だ!
気分が落ち着いてきたので、外の景色からもういちど味噌ラーメンのどんぶりに視線を移した。
ふとテーブルの上に置かれたチラシが目に入った。 旅行のチラシのようだった。 タイトルに大きく書かれている文字を見てみた。
「JR北海道がお勧めする冬の北海道!」
ああ。
そうか
JR北海道は略されずに呼ばれてるなぁ。
明日からはJR北と呼ぼう。そうだな読み方は「JRほっ!」
イイニクイ
合掌