534発目 急ぐ理由の話。


 

ライナーノーツ

Time Is Money だと?

誰が言ったんだ?

日本語で「時は金なり」だろ? 時間はお金と同じ価値があるってことなのか?

誰が言ったんだ?

確かに時間はお金と同じくらい大事だろう。だが時間は誰に対しても平等だが、お金は平等ではないではないか!誰か知らないが、お前がこんなことを言うから現代社会はこんな風になってしまったじゃないか!

 

どんな風になったか?みんなの周囲の人々を見てくれ。みんな何かしら急いでるだろ?急がなくていいのに急いでるんだ。何故か?時は金なりと思ってるからだよ。信じてるんだよ、誰が言ったか分からない言葉を。

 

さ、今回は珍しく前置きなしで言いたいことを書いたから、時間がない人はここまででいいよ。暇な人はこの先も読み進めてね。

 

ケース1

吉田幸市さん45歳(仮名)は会社員で毎日の通勤に電車を使ってます。彼は高校生の頃に、原付バイクを無免許で運転し、補導された過去があります。何故 無免許が発覚したかというと 時速4kmで走っていたからです。彼にその理由を聞くと「スピードを出す理由がなかった」そうです。時速4kmというと自転車より遅いのでは?という疑問が残りますが、原付バイクの正式名称は「原動機付自転車」なので、まあいいか、とも思えます。そんなのんびり屋の彼でさえ、通勤電車に乗る際は、降りる駅の階段の近くに止まる車両に乗り、駅に到着するや否や、電車を駆け降りエスカレーターを駆け上り、そして誰よりも早く改札を抜けようとします。別にそんなに急がなくても遅刻はしないにも関わらず、誰よりも早く、つまり1位で改札を通過したいのです。脱兎の如く、と言うに相応しいほどの急ぎようです。ところが改札を抜けるときに警報が鳴りました。バタンとドアが閉じ駅員が駆け寄りました。「残高不足です」と吉田君のスイカを彼に返しながら駅員はドアが閉まった説明をしました。吉田君は仕方なくチャージの機械にいき入金を済ませ、そして改札を抜けました。急いだにもかかわらず時間がかかってしまった吉田君に尋ねてみました。「どうしてそんなに急いだの?」と。

 

彼曰く 「時は金なり」 だそうです。

 

ここでも「時は金なり」の弊害がでていました。

 

ケース2

イカリング

神崎浩太郎さん45歳(仮名)は自営業で、数年前の2年間だけ、友人の山下君と月に1回、地元の小倉に博多から通っていました。山下君は車を出し、神崎さんを乗せて行くという日々を送っていました。山下君にとっては運転してくれる神崎君はとても重宝していたし、神崎さんにしても交通費が浮くという、お互いの利害が一致してました。彼らは性格的に時間に遅れるのが嫌なので集合時間にかなり余裕を持って行動していました。そんなある日、目的地近くの交差点で、同じ目的地へ向かう別の友達の車が山下君たちの後ろを走ってました。「あいつらより早く着こう」という気持ちがなかったわけではありません。前方の信号が黄色信号になっているのに神崎さんはアクセルを踏み込み、交差点を通過しました。傍から見ると、とても急いでいるように見えたことでしょう。しかし神崎さんはその先のファミリーマートに立ち寄ったのです。おしっこに行きたかったと。結果、その信号で引っかかった友達の車の方が先に目的地に着いていました。結果だけ見ると無理して信号を無視しても到着は遅かったことになります。急いだ神崎君に尋ねてみました。「どうしてそんなに急いだの?」と。

 

彼曰く、 「時は金なり」 だそうです。

 

ケース3

前述の山下君45歳(仮名)は生まれついてのせっかちです。その日は金曜日でしかも給料日でした。山下君は会社の同僚と連れ立って仕事の後にススキノへ繰り出したのですが、普段と違ってどの店も予約客でいっぱいでした。 ようやく予約客を取らない店を見つけて、のれんをくぐりました。愛想のいい店員が出てきて、人数を確認した後、座敷が良いか、それともテーブル席でも良いか聞いてきました。山下君はみんなを代表して店員に尋ねました。「どちらの方が早く入れるか?」すると店員は座敷なら1時間待ち、テーブルなら50分ほどでご案内できるでしょう、と言うではありませんか。山下君は大して違わないし、そんなに待つなら他の店に行くと言って店を出ました。結局、どこも空いておらず、1時間後にその店に戻り、更に15分ほど待たされて入店しました。急がずに待っていれば15分早く入れたのにも関わらず、急いだことが災いして、誰よりも待たされる羽目になりました。急いだ山下君に尋ねてみました。「どうしてそんなに急いだの?」と。

 

彼曰く、 「時は金なり」と。

 

そして彼は誇らしげにこうも言いました。

 

「時間はお金と一緒で無駄遣いするわけにはいかない。」と。 補足ではありますが彼はお金も無駄遣いしてます。浪費する人、つまりローヒャーです。

 

これら3つの話に共通することがあります。何だか分かりますか?

 

 

そうです。

 

 

「べつにどうでもいい話。」だと言うことです。

 

2016年も引き続き、一体何が言いたかったのか筆者ですら分からない話を書き連ねていこうと決心した次第です。

 

最後に2点だけ注意しておこう。あなたの身の回りに、この物語に出てきた人と同姓同名の人がいたとしても、それはこの話とは関係のない全く別の人だということと、「いつの間にか吉田さんのことを吉田君と書いているじゃないか!」という苦情は受け付けない、ということだ。

 

ハヴァナイスデー

 

合掌

 

“534発目 急ぐ理由の話。” への1件の返信

  1. おめでたい。。

      「ドーでもよいところに真理が微笑んでいる」 鷲猫語録より。。

     金田時雄・・・同級生を思い出した。。
      金田時計店のせがれであった。。
       一番嫌いな言葉だったらしい。 何してるやら・・・・

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