こうも毎日が刺激が無く
判で押したように同じような
日々を過ごしていると
イライラする。
このイライラはどうしたら良いか?
退屈な日常から抜け出すには
どうしたら良いか?
そんなことを日々考えながら
過ごしていると、空から突然
降って来た様にアイディアが
降りてくることがある。
だが、そのアイディアを
実践する勇気もないので
自分より立場の弱いヤツに
やらせてみる。
つまり実験だ。
後輩の岡田を呼んで説明をする。
今から実験を行いたい。
『実験? っすか?』
そうだ。
『どんな実験っすか?
痛いことしませんよね。』
肉体的苦痛は無い。
だが、もしかすると
イタいヤツだなと
思われる可能性はある。
『え~!何すか~?』
題して
『人は他人をどこまで突っ込むか?』
だ。
まず最初にやってもらうのは
『104と知り合い』 だ。
人ごみで携帯電話から104に電話して
こう言え。
『あ、お疲れ様です~岡田です。
渋谷のマルイの電話番号を
教えて下さい。』
って。
そしたら104の人は
『お疲れ様とか言わなくていいし。』
って言うかどうか。
言わせたらお前の勝ち。
さらっとかわされたら
お前の負けだ。
『そんなの かわすに
決まってるじゃないすか~』
いいからやってみろ。
大宮駅のコンコースで
出来るだけ大きな声でしゃべれ。
もしかすると周囲の人が
104にはお疲れ様とか
言わなくていいのよ、とか
言ってくれるかも知れんやろ?
『も~、分かりましたよ!
行って来ますよ。』
こうして岡田は大宮駅のコンコースの
中央に立ち、大きな声で電話した。
『あ、お疲れ様です岡田です。
はい、渋谷の109の電話番号を
知りたいんすけど。』
周囲の人に笑われてるぞ。
岡田、いいじゃないか。
実験は失敗だがかなりの人に
笑われてるじゃないか。
私はそれで満足だ。
『ヤマシタさん、何すか、これ?
オレ、めっちゃ笑われてるんすけど。』
あ~、腹が痛い。
『何、笑ってるんすか?』
いやいや、すまん。
だがな、岡田。
オレは109じゃなくマルイと
言ったはずだ。
このミッションは失敗だ。
次の実験に移ろう。
『まだやるんすか?』
次にやってもらう実験は
『緊急じゃないのに
緊急連絡先に電話してみる』 だ。
『また、電話っすか?』
いいか、よく聞け。
ウチの会社が入っているビルの
1階に管理会社の緊急連絡先が
あるだろう?
あそこにかけて世間話をしろ。
『いや、怒られますって!
緊急や、って言ってんのに
世間話したらダメでしょう?』
怒られたらお前の負け。
突っ込まれたらお前の勝ちだ。
『も~う、分かりましたよ!』
『あ、もしもし、埼〇連ビルさんですか?
お世話になります。
今日もいい天気ですね。
あ、もうお昼食べました?
僕はね、・・・・』
どうした?
『切られました。』
はっはっは。お前の負けだな。
さ、仕事するか。
こうして私の退屈な時間は
後輩をもてあそぶことで
過ぎていった。
はああ。
オカダゲンキカナ?
合掌