473発目 堂々とした話。


ライナーノーツ

口数は少ないがいつもニコニコとしていて好感の持てる男がいた。 彼はクラスメイトからは『ばんちゃん』と呼ばれていた。 ばんちゃんは私たちがエッチな話題で盛り上がってると、こっそりと聞き耳を立てニコニコと笑っていた。

 

それに気がついた誰かが

『ばんちゃんもエッチ話が好きなん?』

と聞いたら、ニコニコしながら

『まあ、人並みにねぇ。』

と答えた。

 

その答え方がなんとも微笑ましくて、そして可愛らしかった。 ばんちゃんは女子に人気のあるタイプではなく、どちらかというと奥手な方で、教室でも女子と会話をしているところを見たことがなかった。 だが、気がついたらいつも我々のそばに居てニコニコしながら我々の会話を聞いているのだった。

 

私が冗談を言って仲間達が笑わなかったとしても、つまりスベったとしてもばんちゃんだけは笑ってくれた。 だから私はばんちゃんのことが大好きだった。

 

福岡の高校は体育祭が9月にあるため、2学期の始業式から本番までの間に何度か予行演習をするのだが、そのときばかりはいつも別々に行動している女子とも同じ運動場で一緒に行動することが多かった。その日も予行演習のために学年全体が運動場に集められた。一通り予行演習が済むと授業の終わりの時間が近づいた。 前方に体育教官が立ち、生徒達を座らせて何やらしゃべっている。

 

ふと、後方を振り返ると女子のふともも付近からおパンティがちらっと見えていた。 私が通う高校の女子は体操服として半ズボンみたいなのを着用していた。 そのズボンの裾から見えていたのだ。 いつも私のくだらない冗談に笑ってくれるばんちゃんに、お礼のつもりで教えてやった。

 

『ばんちゃん、そこ見てん。 おパンティが見えとるよ。』

 

ばんちゃんは、あせった様子でこっそり、そして何度もおパンティを見ていた。

 

しばらくして先生の話も終わり、授業の終了のチャイムが鳴った事で我々は自分の教室に帰ることになった。 先生の号令で全員が一斉に立ち上がる。

 

その時、ばんちゃんだけは、ばんちゃんと一緒にばんちゃんの股間も立ち上がっていた。

 

10代というと多感な時期だ。 きっとおパンティを見て興奮したのだろう。 だが、驚くべきはそのときのばんちゃんの態度だ。

 

実に堂々と立ち上がり、その立ち上がった股間を隠そうともしなかった。

 

私は驚いて『ばんちゃん、どした?そこ。 大きくなっとうよ。』 と告げたが、ばんちゃんはいつもの笑顔で

 

『よく、分かったね。』

 

と実に落ち着いていた。

 

私は感動に近い感情になっていた。 素晴らしい、ばんちゃん。

 

その事を近くにいたコバルト君にも伝えたのだが、コバルト君も感動していた。 堂々としてるね、と。

 

その授業のあとは昼休みで、昼休みが終わった後の5時限目の授業は英語だった。 我々は先生の指示により視聴覚教室へ移動した。 本場の英語を学ぶためロミオとジュリエットの英語版を観るためだった。

 

映画の内容自体はほとんど覚えてない。 だが、出演しているジュリエット役の女優さんがとてもオッパイの大きな女優さんで、バルコニーから上半身を乗り出した場面ではそのオッパイの半分以上は見えていた。 あとになって分かるのだがそのジュリエット役の女優はオリヴィア・ハッセーという女優さんで当時15歳だったとの事だ。 15歳にしてすばらしいオッパイの所有者だった。

 

授業が終わり、自分たちの教室に戻るときに、ふとばんちゃんを見ると、またしても堂々と股間を膨らましていた。

 

私の人生において彼ほど堂々としている男は見たことが無い。

 

バンチャンゲンキカナ?

 

合掌

 

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