79発目 この美しき日本語の世界の話。


舞台IMG_1606

英語では表現できない微妙なニュアンスを
もつ日本語の本当の良さを知っているか?
私もまだ、全てを知るには至ってない。

それどころか、意味を間違って
覚えていることもしばしば。

代表的なのが
『情(なさけ)は人のためならず』だろう。
この言葉の意味は、違う解釈をしている
人が多いはずだ。

これは、人に情(なさけ)をかけると、
回り回って結局自分に帰ってくるから
どんどん、情(なさけ)をかけてあげなさい。
っていう意味だ。
つまり、人のためと思ってやったことも
自分のためですよという言葉なのだ。

どうだい、逆だと思ったろ?

私のある知り合いは、それまでの
人生の9割以上を貧乏で過ごしてきた。
35歳の時、仕事で開花してから
貧乏と縁を切ることになるのだが
とにかく、それまでは高級品と
縁遠い生活だった。

ある日(つまり仕事で開花してから)
彼は、取引先に接待を受ける。
フランス料理というものを初めて目にする。

一度耳にして、想像したが
やっぱり想像できなかった食材の
一つに『トリュフ』があったそうだ。
そこで、その話を取引先にしたところ
『じゃあ、トリュフ頼みましょうか』
と言うではないか。
彼はこれ以上のチャンスは無いと
判断し、その提案を受け入れた。

しばらくして店員が持ってくる。
『こちらトリュフになります』
と皿を置く。

『えっと、どれくらいでトリュフに
なるんですか?』

そこにいた一同は動きを止めた。
確かに店員も悪い。

こちら~になります。は
正しい日本語とは言えない。
しかも、想像すら出来なかった
食べ物が出てきて、あんな風に
言われれば、しばらく待つと
トリュフになるんだ、と
思っても仕方がない。

正しく美しい日本語を
使いたいものだ。

『これが既にトリュフでございます』
と店員に説明された私の友人は
顔から血が出るほど恥ずかしかったそうだ。

誰か彼に情をかけてやってくれ。

チ デハナク ヒ

合掌

“79発目 この美しき日本語の世界の話。” への2件の返信

  1. ら抜き言葉も若年層では市民権を得た感があります。美しい日本語は常に進化を遂げていて、年代によって、基準となる日本語が違うなあと感じています。古代パピルスにさえ、『今時の若いやつらときたら…』としるされ

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