半感応信号というのがある。
上のほうにセンサーがついていて、その下に車が
来ると、感知して信号が変わるという仕組みだ。
歩行者はボタンを押して信号が変わるのを待つ。
それの自動車版と思えば簡単だ。
この半感応信号というのが結構やっかいな代物で
昼間だと、感知したのかどうかが判別しにくい。
ましてなかなか信号が変わらなかったりすると
降りていって歩行者用のボタンを押そうとするのだが
そうすると信号がペカペカしだしたりする。
最近は、慣れたもので『どうせ急ぐ旅じゃなし』と
延々待ち続ける。待ち焦がれると言っても良い。
今日もその信号が変わるのを待っていた。
しかし今日は退屈しなかった。
歩道で年配の男女が、なにやら口論しているのだ。
ほとんどが騒音にかき消されて聞き取れなかったが
女性のほうがはっきりとこう言った。
『大体さっきからあんた、ずっとチャックが開いとるんよ』
男性はとっさに自分の股間を見下ろし
『おお、ごめんごめん』と。
その謝罪の言葉ですんなり口論が治まった。
男女の傍らで散歩途中の犬が、やっと終わったか
という感じでたたずんでいた。
アイムソーリー
合掌
プフフ(笑)