699発目 鷹揚自若の話。



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ライナーノーツ



子供たちに健康診断の
結果を見せたら
その日以来、私のことを
「軽度の肥満」
と、馬鹿にするようになった。

ただ、子供たちに
悪気がないのは
分かっている。

こんなときに
鷹揚な態度を取ることが
大人のたしなみでは
ないだろうか?

 

日曜日の夕方
駅前の広場は
まだまだ人で溢れかえっていた。

芝生の広場は小さな子供を連れた
家族がサッカーやバドミントンを
していたり、
インターロッキングを敷き詰めた
噴水の横では、スケボー少年たちが
技を磨きあったりしている。

改札を抜けて広場へと通じる
階段を上がったところで
右側から拍手が起こった。

若い男女のペアを取り囲むように
人だかりができている。

男の方はギターを持っている。

ストリートミュージシャンか。

「それでは、次が最後の曲です。」

あまり興味は湧かなかったが
1曲くらい聞いて行こうと
思った。

だが、すぐにその興味は
後悔へと変わった。

まず、ギターの腕前がひどい。
さらに楽曲がイケてない。
初心者が見様見真似で
作曲してももっと良い曲になる
はずなのに、
わざとこんなスカシた曲なのか?
歌詞もどこかで聞いたような
口にするのも恥ずかしい
ラブソングだ。

ただ、一生懸命に演奏する姿や
少しキーの外れた歌声には
好感が持てた。

人前でやるようなレベルじゃないが
きっと音楽が好きなんだろうな
という気持ちは伝わって来た。

「がんばれよ」
と励ましの言葉を
かけることもない代わりに
「恥ずかしくないのか?」
という罵声も浴びせない。

大人のマナーだ。

片付けを始めた二人を
尻目に家路へと足を向けた。

インターロッキングを
敷き詰めた噴水の脇に
小学生高学年と思しき
男女が集まっていた。

そういえば、うちの子が
もうすぐ運動会だと
言ってたな。

女子3人がリズムを取りながら
ステップを踏んでいた。

「ねえ、男子~」

「なんだよ。」

「やっぱさ、音楽がないと
うまく踊れないよ。
運動会は今度の土曜日だよ。
もっと練習しないとやばいよ」

 

なるほど。
運動会での出し物の
練習なのかな?

どうやら手拍子をしていた男子に
歌がないと合わせづらいと
クレームを出しているようだ。

「歌ってよ」

女子が3人で声を合わせて
懇願した。

男子の一人が即座に
こう答えた。

 

「イヤに決まってんだろ!
こんな外で歌うなんてよ!」

 

そこに先ほどのストリートミュージシャン
が片づけを終えて近づいてきた。

 

「こんなとこで歌うくらいなら
死んだ方がましだぜ!
馬鹿と思われるからな!」

「歌うくらいやってくれても
いいじゃない!
ちょっとくらい下手でも
文句言わないからさ」

「馬鹿じゃねえの!
外で歌うくらいなら
死んだ方がましだよ!」

ストリートミュージシャンが
立ち止まった。

 

「こんな駅前の広場で歌ったりして
人の迷惑になるだろ!」

 

なんと!

このタイミングで
このセリフが出ますか!

ストリートミュージシャンは
うつむいたまま、
その場をそそくさと
立ち去ろうとした。
違うぞ!若者よ!
こういう時こそ
鷹揚自若だぞ!

 

鷹揚自若(おうようじじゃく)
どっしり落ち着いて動じないこと。

 

「お前らも一緒に歌うんなら
歌ってやってもいいけどな」

「いやよ!
男子と一緒に歌うなんて!
誰かに見られたら
馬鹿にされるじゃん!」

 

男女で、駅前の
人の迷惑になるところで
散々歌ってきた二人は
うつむいたまま
通りの向こうへと姿を消した。

「人前で歌う価値なんて
ねえよ!」

まだ言ってる。

 

子供って

ザンコクネ

 

合掌

 



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