祝!!! 600発目 最初が肝心な話。



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ライナーノーツ



なんだか、ずいぶん遠回りしてクドクドとしゃべってるけど、中身の無い話しだなぁって言うのはよくあることで、特に上司が部下に対して、または先輩が後輩に対して行う忠告ともアドバイスとも取れるような会話にはハッキリ言って意味の無いものが多い。

 

そんな相手だから、この日の出来事は鮮明に覚えているのにもかかわらず、そいつの名前は思い出せない。顔すら浮かばない。 あ~、こいつバカだな、という感想を抱き、思わずそれを口に出してしまい、その場が修羅場と化したのは覚えている。

 

新入社員として配属されたのは埼玉県大宮市(現さいたま市)の中仙道沿いにあるオフィスだった。およそ50人くらいの従業員で埋め尽くされたフロアは喧騒に包まれていた。その日は初出社の日だった。大学を卒業し社会人となる最初の一歩だった。

 

最初が肝心だ。

 

教育担当として紹介された5期上の先輩二人はとても良い人で、二人そろって面倒見の良い先輩たちだった。この二人は同期入社でお互いも仲が良く、職場にも良い雰囲気をもたらしていた。

 

最初の数日間はOJTと言って配属された部署以外の部署の業務を見学していた。初日は設計部だった。設計部の責任者である係長は最初から我々新入社員に対して威圧的な態度で、正直に言うと私は「隙を見てぶん殴ってやろう」と思うほどだった。

 

「何だお前ら!挨拶もろくに出来ねぇのか!学生気分が抜けてねえんじゃねえのか!ああん?」

 

今思えば、こいつも最初が肝心だからガツンとやっとこうと思ったに違いない。私は教育担当の先輩に耳打ちした。

 

「なんかこいつムカつきますね?ぶっ叩いてもいいですか?」

 

「やめろよヤマシタ!怖いこと言うなよ。俺らが怒られちゃうじゃんか。」

 

「冗談ですよ。」

 

その後もその人はことあるごとに 「学生気分が抜けてない」 を連発した。

 

その日の業務終了後。 教育担当の二人が新入社員を飲みに連れて行ってくれた。事務所近くの居酒屋だったが、そこには既に他の先輩たちも来ていて、なるほどここはウチの社員の行きつけなんだな、と思えた。

 

「どうだった?」

 

「いやあ、あの設計の係長は怖そうですね。」

 

「いや、あの人は本当はいい人なんだよ。今日はちょっと機嫌が悪かったのかな?」

 

同期のみんなは全員があの係長を怖いと思ったそうだ。

 

「ヤマシタは怖がってなかったな?」

 

「怖い?それよりもただただムカついただけっすよ。」

 

ちょうどそこで仕事を終えた係長が店に入ってきた。

 

「お~。早速来てんのか? 教育担当の二人も先輩風吹かせてんじゃねえぞ!がっはっは。」

 

「あ、お疲れ様です。」

 

同期のみんなは立ち上がって挨拶した。

 

「ヤマシタだっけ?お前は何でオレに挨拶しねえの?」

 

「さっき会社出る時にしたやん。」

 

「はあぁ?お前なんでタメ口なんだよ!学生気分が抜けてねえんじゃねえのか?」

 

「まあまあ、係長。まだ初日なんですから。」

 

「ばかやろう!こういうのは最初が肝心なんだよ。ちょっとそこ、ずれろよ。」

 

係長はそう言って我々のテーブルに割り込んできた。私の正面にドカっと座ると下から睨むように空いたグラスを差し出した。私はしょうがないからビールを注いだ。

 

「先輩にビール注ぐときは両手で持つんだよ!そんなことも知らねえのか?」

 

「知りません。」

 

「ったく。学生気分が抜けてねえなぁ。」

 

そろそろ私の我慢も限界に近かった。私の怒りが顔に出ていたのか、教育担当の先輩が助け舟を出してくれた。

 

「ところで係長。 飲んでも大丈夫なんですか?」

 

すると、別の同期のヤツが

「係長は電車じゃないんですか?」と聞いた。

 

その係長はビールのグラスをガチンとテーブルに置くと、今度はその同期のヤツを睨みながらこう言った。

 

「オレはバイク通学なの!」

 

通学て。

お前が一番、学生気分抜けとらんやん。

 

この一言がきっかけで、我々同期の連中でこの係長を怖がるものは一人もいなくなった。

 

今なら分かる。本当に分かる。

 

サイショガカンジン

 

合掌



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くりんくりんしてみてん


小倉のマツエクサロンミック【Mic】
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