144発目 我慢の話。


舞台IMG_1606
我慢とは耐え忍ぶこと。
辛抱すること。と辞書にはある。

もともと仏教語の七慢のひとつで
仏教では「慢」は、思い上がりの心をいい、
その心理状態を七つに分けたものが
七慢であり、そのうちの一つが
「我慢」である。

そう。私は思い上がっていた。
出来もしないのに我慢すると
心の中でのみ決めていた。

ソレはほんの一瞬の出来事であり
私自身も我慢していたことを
忘れるくらいの刹那だった。

男も四十を超えると様々な
欲から開放されると信じていた。

私が解放された欲の一つに
『性欲』がある。

携帯電話に着信があり
走らせていた車を道端に停める。

窓を開け、外の空気を取り込む。

前からミニスカートの女性が
携帯電話をかけながら
自転車をこいでこちらに向かってくる。

私の中の開放されたはずの
性欲が再びふたを開けたことには
私自身だけが気づいていなかった。

見ない。
我慢だ、さとる。

しかし、無意識下の自分は
(お前は我慢できない)と
警鐘を鳴らす。

知らず知らずのうちに
私はそのスカートの中を
見ようとしていたんだろう。

女性の顔すら見てないのに
私の中の思い上がりが
彼女のスカートの中を
覗こうとしている。

コレまで何度もそうやって来た。
そのたびに、
(やっぱ、見えないなぁ)と、
オレは何をやってるんだ、と。
繰り返して来た。

でも、やはり、当然というか
見てしまうんだな。

開け放した車窓からは
私の気持ちをあざけるほどの
気持ちよい風が吹き込んできた。

前方から走ってくる自転車に乗った
女性は、電話の相手に向かって
それも、私に聞こえるほどの大声で、

『やーーん、スカートがめくれる~
サラリーマンに見られた~』

そう、私はサラリーマン。
仕事はスカートを覗くこと。

ガマンガマン

合掌

“144発目 我慢の話。” への1件の返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*