133発目 ばあちゃんの話。


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込み入った事情は知らないが
ばあちゃんがそう言ってたのでってことが
多々ある。

夜に口笛を吹くと蛇が来る。とか
午後に靴をおろすと怪我をする。とか

地域や地方によって多少の差はあるものの
こういった『ばあちゃんの格言』みたいな
ものは実践している人が多いのでは?と
思うのだ。

その中でも特に注意されたのが
『夜に爪を切ると親の死に目に会えない』
というものだ。

小さい頃は、
『親の死に目に会えないことが
嫌ではない』と駄々をこね
平気な顔して夜に爪を切っていた。
風呂上がりの方が柔らかくて
切りやすいからだ。

死んだばあちゃんは私のその姿をみて
悲しそうに、
『あんたは親の死に目に会えない辛さが
どんなもんか分からんかねぇ』と
嘆いていた。

ずいぶん大人になってからのことだ。
ある知識人から夜に爪を切ることを
戒めている理由を聞く機会があった。

理由はこうだ。

『昔は照明が暗く、夜に爪を切ると
肉まで切ってしまうから、やめろと
言っていた。今みたいな爪切りではなく
ハサミみたいな形の爪切りだったから
なおさらだ。

親の死に目に会えないというのは
日本人において最もきついバツの
一つだったんだ。』
とのこと。

なるほど。
死んだばあちゃんは私の指を
心配して言ってくれてたのかと
思うと、なんだかじんわりして来た。

あのとき言うこと聞かなくて
ごめんね、ばあちゃん。

あっ!

ばあちゃん、まだ生きてた。

シツレイシマシタ

合掌

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