アレは確かゴーゴーズのアルバム
『Vacation』が発売された年だったから
1982年の出来事だ。
私の実家の近所では、いたるところに
不良中学生がたむろしシンナーを吸っていた。
彼らは例外なく変形学生服を着用し
髪を茶色に染め、道端にツバをはく。
シンナーでホワンホワンになったら
人差し指を天に向け
『ビームが出る』と叫び、空を切るしぐさを
する。
何故、シンナーを吸うのか?と
尋ねると、一様にこう答える。
『天国にいる気分だ』
天国がどんな所か知らないが
きっと気持ちいい、ということだろう。
空の向こう、はるかかなたに
天国はあるのかな?
冬の寒い空を見上げると
遠いまだ見ぬ天国のことを思う。
私のおじいちゃんもあそこにいるのだろう。
ところが高校に上がった頃、つまり
1986年のことだが、ゴーゴーズの
ヴォーカルだったベリンダカーライルが
ソロデビューし、こんな歌をヒットさせた。
『heaven is a place on earth』
つまり天国はこの地球上にある。
ということだろう。
この曲には随分励まされた。
生きていながらにして天国を
見つけることは可能だということだ。
そう考えると彼ら、つまりシンナー吸いの
中学生達もあの頃、すでに
地球上にある天国を感じていたのか。
高校の同級生がウチに遊びに来たときに
あまりにも平然と道端でシンナーを
吸っている不良と、道端に掲げられた看板を
みて、こうゆう看板は無意味だと
言っていた。
『シンナーは売らない、吸わない、吸わせない』
確かに私の住んでいた地域では
無意味だったのだろう。
少年達よ。シンナーは吸っちゃダメだよ。
ビームガデルカラ
合掌
ビーム…( ´,_ゝ`)(笑)