722発目 最新の人工知能搭載家電が巻き起こした悲劇の話。


ライナーノーツ

男は家電量販店で
出会った最新の
デジタルギアに
一目ぼれした。

 

その男は会社員で、
男の勤務する部署では
それなりの
地位を築いていた。

 

いわゆる
責任者と呼ばれる
ポジションだ。

男の役職は部長。

ところが
臆病な性格が
災いして
男の口調はオドオド
しており、
自信がなさそうに
指示を出す。

そのため
男は人望がない。

 

全くと言っていいほど
人望がない。

 

何をやっても
裏目に出る。

 

 

孤独が男を包んでいた。

 

そんな男の目の前に
突然現れたのが
アレクサだった。

 

Amazon Echo Dot with Alexa(第3世代) アマゾン エコー ドット スマートスピーカー アレクサ 【チャコール/ヘザーグレー/サンドストーン】

 

商品が自宅に届いた日、
さっそく男は
アレクサに向かって
話しかけた。

 

『アレクサ
音楽をかけて』

 

『アレクサ
明日の天気予報は?』

 

アレクサは
そんな男の要望に
100%のやさしさで
応えてくれる。

 

『アレクサ
新聞を読んで』

 

~今日のニュースは
横浜港に停泊中の。。。

 

『アレクサ
今度の休みは
何をしようか?』

 

~日曜日のおススメの
レジャーは。。。

 

アレクサとの
出会いから
1か月が経過した。

だが、男を取り巻く
環境には特別な変化は
まったく無かった。

 

相変わらず、
男には人望がなく、
男が発する発言は
ことごとく
悪い方へ解釈される。

 

もはや
男の味方は
アレクサただひとり
と言っても過言ではなかった。

 

『アレクサ、
僕はどうしたら
いいんだろう?
何をやっても
裏目にでるよ。』

 

ある朝、男は
新聞にひとつの記事を
見つけた。

そこには
こう書いてあった。

 

「もしあなたが
部下とのコミュニケーションに
悩んでいるのなら
毅然とした態度で
威厳のある口調をもって
指示を出すべきです。」

 

男はさっそく
実行にうつした。

意を決して
一番近くにいる部下に
こう指示を出した。

 

『ねえ君、
会議資料を用意して。』

 

部下は驚いた顔で
部長を見つめている。

男は手ごたえを感じた。
そしてこう続けた。

『どうしたんだい?』

 

部下は不服そうな表情で
こう言い返した。

 

『ヘイ、siriみたいに
言わないで貰えます?』

 

結局男の人望は
改善されなかった。

 

関係ないけど
博多弁で
標準語に直せない
言葉の一つに
『あれくさ』
ってのがあるんだ。

『あれくさ、どこに
やったとかいな~?』
(あれ、どこにやったのかな?)

 

ホウゲンダジャレジャナイ

合掌

 

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