564発目 童話に学ぶ話。


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色々と話さなきゃならないことがある。ゴールデンウィーク真っ最中だというのに、こんな事を言うのは、いささか無粋かもしれないが、どうしても我慢も限界を迎えてしまった。

 

と、その前に。 チェコスロバキアは、いつの間にチェコとスロバキアに分かれたんだ?と思って調べたら1992年には分かれてたのね。ってことはソ連の崩壊が1991年12月だから、その流れで別れたのか。

 

何故、チェコスロバキアかって? 今回の童話はそのスロバキアがチェコと連合国になる前、つまり1918年以前に作られたお話しを突っ込もうとしているからだ。スロバキアでは有名な童話「マルーシカと12の月」についてだ。

 

ご存じない方々のために、軽くあらすじをお伝えしながら、各突っ込みポイントを示していくぞ。

 

むかしむかし、ホレーシカとマルーシカという二人の娘を持つお母さんがいました。ホレーシカは本当の娘ですがマルーシカは継子でした。

 

はい、ここね。1コ目。まず、この手の昔話にありがちな設定だけど、いつも疑問なのは「なぜ、シングルマザーなのにわざわざ継子を引き取って育てているのか?」という点だ。シンデレラなんかもそうだった。我がの娘が二人もいるのにわざわざシンデレラを引き取って育てている。このお母さんもそうだ。これはもはや主人公をいじめるために引き取ったとしか考えられない。100歩譲って、この時代は割と当たり前に孤児を引き取って育てるカルチャーがあったとする。それも金持特有の文化で、経済的に余裕があるからもういっちょ育ててみるか?みたいなノリで?だとしたら、働かずに食っていける環境なのか?旦那の遺産か?

 

マルーシカはとても働き者で朝から晩まで働いてました。しかも超絶美人でした。一方、ホレーシカはわがままで怠け者でした。しかもどえらいブスでした。

 

ほら。マルーシカしか働いてないやん!実の子は「わがままで怠け者」よ。 おい!お母さん!注意しなさ~い!我が子を叱りなさ~い!ブスでごめんなさ~い!

 

ある冬の寒い日、ホレーシカはマルーシカにこう言いました。「スミレの匂いが嗅ぎたいわ」 マルーシカは反論してみます。 「そんな!お姉さま。こんな冬の真っただ中にスミレなんて咲いてる訳がないじゃない!」 だけど、お母さんはホレーシカの肩を持ちます。 「行って来なさい、マルーシカ。スミレを見つけてくるまで家には入れませんよ」

 

虐待。これね、虐待ですわ。ブスのホレーシカがスミレの匂い嗅いだところで美人にはならんぞ!って言いたいよね?マルーシカ!そんなオファーを受ける必要なんてないですぞ!と助言してやりたい。

 

マルーシカは泣きながら森に行きました。

 

行くんかい!

 

あてもなく森を歩きながらマルーシカは、このまま天に召されてもいいや、と思ったそうです。そのとき、向こうの方にチラチラと火が見えました。マルーシカは火に近づいてみました。するとそこには大きなたき火があかあかと灯ってました。そのたき火の周りには12個の石があり、その石の上に12人のオッサンが座ってました。オッサンたちは1月から12月までの月でした。12月のオッサンがマルーシカに話しかけました。

 

「何ね?おじょうちゃん。何しよっとね?こげな寒か日に。」

 

「はい。ちょっとスミレば探しに来たとです。」

 

「こげな雪の降る季節にスミレやら咲いとう訳なかろうがね?」

 

「でも意地の悪いお母ちゃんとお姉ちゃんが取って来いげな言うとです。」

 

「ははあん。そらあ、やおいかんね(※注1)」

 

(※注1:大変だね、という意。)

 

「ほんなら、こうしようか。よ~い!1月!お前、ちいっと席ば譲れ。3月と代われ!」

 

3月のオッサンは一番高いところに行って杖を振りました。そしたらそこら中にスミレが咲きました。マルーシカはそのスミレを摘んで持って帰りました。

スミレをたくさん抱えて帰ってきたマルーシカを見て、お母さんとホレーシカは驚きました。

 

「あんた、これどうやって摘んで来たと?」

 

「森に行ったら、ようけ咲いとりました。」

 

「ふ~ん。そうね」

 

 

ハイ、ここ。軽~く信じたよね?深く問い詰めたりしなかったね?おかしいよね?どう考えてもサラっと流せるシチュエーションじゃないよね?でもさ、話はたんたんと続くんだよ。

 

「ねえ、マルーシカ。イチゴが食べたくなった。」

 

「お姉さん、こげな雪の日に、しかも夜の深い時間にイチゴなんか手に入るわけなかろうもん?」

 

「しぇからしか!コンビニでもJAでも行ってから手に入れて来んね!あまおうしか受付けんからね!」

 

マルーシカは泣きながら森に入って行きました。すると、前回のスミレの時と同様にたき火の周りに12人のオッサンが座ってました。

 

「何ね?おじょうちゃん、またやらかしたと?」

 

「今回はイチゴなんです。」

 

「とよのかイチゴでよかね?」

 

「いや、あまおうやないとクラされるとです。」

 

「ほんなこつ、しょうがなかね。よ~い、6月!ちょっとこっちに来ちゃんない」

 

6月のオッサンが一番高いところで杖を振ると、そこら中にあまおうが出来ました。マルーシカは慌てて収穫しそれを持って帰りました。

 

「ありゃあ、こりゃたまげたね。ホントにイチゴば取ってきたよ、この子。」

 

ホレーシカもお母さんも驚きました。そして次のオファーを出しました。

 

ハイ、ここ。 次のオファー出す前に、どうやってイチゴを手に入れたか問い詰めるべきよね?なんでしら~っと話を進めるんかね?

 

「ツカイッパ、いやマルーシカ。今度はリンゴを取ってきて。」

 

今度は9月のオッサンがリンゴを咲かせてくれました。

 

「何ボサっとしよっとね?おじょうちゃん、バタバタ木ば、ゆすらんね!」

 

マルーシカは9月のオッサンの言う通り木をゆすりました。するとリンゴが2つ落ちてきました。マルーシカはその2つのリンゴを持ち帰りました。

 

ホレーシカはこんなにおいしいリンゴを生まれて初めて食べました。

 

「ちょっとあんた、何で2個しか取って来んやったと?」

 

「いや、それがもう限界やったとです。」

 

「何、言い訳しようとね!後でたっぷりこづいちゃるけん、そこで待っとき。お母さん、私ちょっと残りのリンゴば取って来るけん。こげなおいしかリンゴ生まれて初めて食べたばい」

 

「あんたこげな雪の中・・・・」

 

「関係なかろ~~~~~」

 

ホレーシカは袋を手に家を飛び出しました。しばらくすると12人のオッサンに出くわしました。いよいよ寒さも限界に近付いてたホレーシカはたき火を見つけて近づきました。

 

「ちょっと、オッサン、退いて!」

 

ホレーシカはオッサンを押しのけてたき火に近づきました。頭に来た1月のオッサンは杖を振りたき火を消しました。

 

なかなかホレーシカが戻ってこないからお母さんは心配になって探しに行きました。雪はどんどん激しくなりました。マルーシカは二人の帰りを待ちましたが帰ってこなかったので、幸せになりました。

 

ハイ、これ最後ね。 展開が?最後のところがちゃちゃちゃっと済ませすぎ。 マルーシカは土地と家を手に入れましたとさ、めでたしめでたし。って?めでたいけど。急すぎるやろ?展開が!

 

ヨーロッパ辺りの童話ってこのパターン多いよね? 意地悪な母親と姉、アンド美人でいじめられる妹。で、まあ様々な人に美人はちやほやされて最後、幸せ掴むってパターン。

 

これらの話から我々が何を学ぶかって?

 

美人には優しくしなさい。たとえあなたが女性でも。 ということだね。

 

ナンジャソラ

 

合掌

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