通勤電車というのは
ある意味、ルーティンで
毎日同じ時間で、同じ車輌というのが
定番ではなかろうか?
私もご多分に漏れず
そのうちの一人だ。
その日も、同じ車輌に乗っていた。
いつも数人むこうに立っている女性が
気になっていた。
といっても、好きだとか
恋したとか色っぽい話ではなくて
『ああ、きれいな人だな』くらいだ。
私が乗ったときは既に乗っているので
どこから来る人かは分からない。
ただ、博多駅で降りる。
名前も年齢も分からない。
ある日、夏休みだからか
社内はすいていた。
チラチラと彼女の様子を
伺う私。思えば彼女の全身を
初めて見た気がする。
向こうも私の視線に気づいたのか
何度もこちらに視線を寄越してくる。
目があうと恥ずかしそうに目を伏せる。
おっとどうした?ロマンチックじゃないか。
どうする?声をかけるべきか?否か?
博多駅に着く、まだ決断できない。
フォワードに必要なのは
早い決断とシュート力じゃなかったっけ?
彼女は階段を駆け下りる。
ああぁ。
声をかけることが出来なかった。
いや、これでいいのだ。
そのほうがお互いのためだ。
私は改札へと急ぐ。
出社の時間にはまだ時間がある。
トイレによってから行こう。
なんと!
社会の窓が全開ではないか!!
いつからだ?家を出てからずっとか!!
アチャー
合掌
キャー(笑)カッコ悪い(笑)