今日、2月3日は節分だ。
朝早くから子供達が
お父さん、今日は早い?
と聞いてくる。
そうか、豆まきをするんだな
と思い、私は約束する。
今日は早く帰るよ、と。
ところで、と息子が聞いてきた。
『鬼は分かるけど福って何?』
そうか、福が分からないか。
私はなるべく分かりやすく
説明する。
『福ってのは良いことって
意味があるんだ。
漢字で書くと福岡の福だよ。』
『そっか!じゃあ福岡は
福だらけなんやね!』
いや、まあ。そうかな?
『でもさ、福岡ってヤクザが
多いんやろ?
鬼はおらんけどヤクザが
いっぱいおるんやろ?』
う、うん。そ、そうかな?
『じゃあさ、今日の夜は
福岡のほうに向かって
豆まきしようね。』
そう言って娘と二人で
予行演習を始めた。
『福はうち~!
ヤクザはそと~!』
ああ、やめてやめて。
窓を開けてそんな大声出しちゃ
やばいよ。
私は慌てて訂正する。
『ヤクザは警察がやるから
君達はしなくていいんだ。』
きょとんとしている子供達に
尚も説明を続ける。
『警察にはヤクザを退治する
部署があるから、そこの人たちが
おそらく豆まきをすると思うんだ。
だから、君達はしなくて良い。』
『じゃあ、何を追い出せばいい?』
『そうだな、おしっこを
漏らさないように
おしっこはそと~って
やればいいんじゃないか?』
子供達は合点がいったのか
早速、予行演習をする。
『おしっこは~そと~。』
ん?
随分小さな声だな。
『どうした?
どうしてそんな小さな声なんだ?』
『だって、窓あけてるから
誰かに聞かれたらまずいやろ?』
いやいや。
おしっこよりヤクザのほうが
まずいって。
ってゆうか、鬼は退治しなくて
いいのか?
それにしても
警察が本当にやってたら
ちょっと笑えるな。
『それでは本部長からの
訓示をいただきます。』
『え~、我が組織犯罪対策課は
今日まで皆さんの努力で
指定暴力団の壊滅に力を
注いで来ました。
本日は無事の成功を祈念して
全員で豆まきをします。』
『指定暴力団はそと~、
観光客はうち~』
ま、そんなわけないか。
ともあれ
故郷が
ハッテンシマスヨウニ
合掌