中洲大通のカドのタバコ屋の
向かい側でいつも座り込んで
ギターを弾いている兄ちゃんがいた。
一晩中、酔っ払いに絡まれながら
歌を歌っている。
私は先輩社員と二人で
ラーメン屋へ向かうところだった。
先輩は兄ちゃんをみつけ
近寄っていき、話しかけている。
『兄ちゃん、永ちゃん歌える?』
『ああ、そっすね。2~3曲なら。』
『じゃあ、サンバディナイトやって。』
兄ちゃんのギターに合わせて
酔っ払った先輩も歌いだした。
『サンバディズナイッ
スイーレディィィほにょにょにょ。』
あれ?歌詞をごまかしたな。
『トパーズ~。ほにょにょにょ。』
あれ?またごまかした。
あちらこちらをごまかしたまま
1曲歌いきった。
その根性はすごい。
『よ~し、じゃ次は
何にしようか?サザンは?』
『あ、はい。』
『あれは?いとしのエリー?』
『ああ、イケます。』
『ほにょにょにょこと~もあ~る~』
あ~!今度は最初から
ごまかした!
『エリ~マイラ~ ふふ~ん』
うわ!そこは分かるやろ!
兄ちゃんもおかしくなったのだろう
笑いをこらえながら弾いている。
それでも1曲全部歌いきった。
兄ちゃんも気を良くし
先輩と雑談を始めた。
『お名前は何て言うんですか?』
『ああ。』
先輩は名刺を出しながら
『ふぇふぇたです。』
そこもかい!
センパイゲンキカナァ
合掌
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