342発目 最初の話。パート2


タコ

どうもタコが苦手だった。

美味しいと思わなかった。

 

ところが小樽でタコのお寿司を

以来、好物の一つとなった。

 

それくらい、美味しいタコだった。

 

と、いう話をしたら先日の

会社の同僚がこう言った。

 

『最初にタコを食べた人って

勇気がある人ですよね?』 と。

 

ココからは私の推論であるが

最初にタコを食べた人の様子を

物語にしてみた。

 

時は江戸時代。

平吉は盗み癖を直し

定職に付いた。

 

海に潜り、海産物を捕る

仕事だ。

 

順調に月日は流れ

一緒に仕事をする仲間にも

恵まれた。

 

ある日、いつものように

相棒と海に潜ってウニを

捕っていた。

 

軍手をはめた手でウニを

わしづかみにし、捕っては

水面に上がり、を繰り返していた。

 

そろそろ昼飯にしようと

相棒と浜に上がったとき

その相棒が平吉の背中を

指差して叫んだ。

 

『おい!平吉!

背中に何かついとるぞ!』

 

そう言われれば背中に違和感がある。

 

平吉の背中には身の丈4尺はある

巨大な水ダコがひっついていた。

 

首だけで背中を振り返った平吉は

見たこともないような巨大な

生物に恐怖し、叫び声をあげた。

 

大きな口を開け、力いっぱい叫んだ。

 

『ぎゃ~~~~~!』

 

背中につかまった水ダコは

平吉の大きく開いた口の中に

手を突っ込んできた。

いや、この場合は足か?

 

相棒は口をふさがれた平吉に

駆け寄り、こう叫んだ。

 

『大丈夫か平吉!

今助けるぞ!』

 

相棒は生物の足を引っ張り

平吉の口から取り出そうとした。

 

平吉の方もありったけの力で

生物の足を食いちぎろうとした。

 

やっとの思いで足を引き剥がした

相棒は平吉の体を心配した。

生物はまだ背中についている。

 

一方、平吉の方は口を

モグモグ動かして相棒に

向かってこう言った。

 

『そんなに力を入れなくても

口の中で溶けていくようだ。』

 

『何?どういうことだ?

とりあえず薬を持って来ようか?』

 

『いや、それよりも醤油とわさびを

持ってきてくれ。』

 

二回連続で同じオチです。

 

ベタデスネ

 

合掌

 

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