アルバイトをしていた。
披露宴と披露宴の合間に
さささーっと食器を片付け
次の宴に向けての準備を
する役割だ。
主に土日に行われる。
かなりハードな労働で
休憩時間も少なかった。
あるとき、それはそろそろ
バイトに嫌気が差してきたときで
もうやめよっかな?と
短い休憩時間に建物の外で
タバコを吸っていた。
ふと、煙を吐きながら
見上げると裏のマンションの
バルコニーにパンツいっちょの
お姉さんが洗濯物を干していた。
!?
私は驚きと幸運に包まれた
気持ちになり、そのお姉さんが
部屋へ引っ込むまで
ずっと見上げていた。
辞めるつもりだったバイトは
継続する決意をし
それからというもの
休憩のたびにそのマンションを
見上げることがルーティンと
なった。
しかしそれ以来、そのお姉さんに
遭遇することはなく、私は
当初の予定通り、バイトを
辞めることにした。
最後のバイトの日、私物を
片付け、みんなにサヨナラを
継げた後、バイト先での
最後の一服を裏の喫煙所で
していたときだ。
また、あのお姉さんが上半身裸で
現れた。
私はじっくりとそれを見た後、
もう一度、事務所に戻り
『辞めることを止めることは
できるか?』
と尋ねた。
しかし、次も決まってるから
無理だ。と言われた。
何故だ?とも。
何故、いまさら続けたいと
言い出したのか理由を問い詰められたが
私は最後までその理由を
言うことはなかった。
『いいんです、いいんです
無理ならいいんです。
今までお世話になりました。』
あれから27年。
今だから言う。
私がバイトを続けたい理由は
半裸のお姉さんが見たかった
だけだ。
ああ、高校生って
アオイネ
合掌
単純ー!!!(笑)