172発目 本人がそうゆうなら、という話。


ライナーノーツ

会社の前の通りに出て
空を見上げてみる。

よし今日は晴れだな。

天気が良いと気分も良い。
誰にでも優しくなれる気がする。

通りを左側から自転車を押しながら
近づいてくるおじさんがいた。
自転車の後ろには大量の空き缶を
積んでいる。
ピンクのTシャツの胸の所には
『no tennis no life』と
訳の分からないロゴが入ってる。

彼のような人を私の地元では
『ほいと』と呼ぶ。
差別用語だと思うので
あえて解説はしない。

いつもなら汚いものでも見るように
避けるところだが今日は違った。
なにしろ天気が良いから。
誰にでも優しくなれるから。

『おじちゃん、いい天気やね!』

私は思い切って話しかけてみた。

『ほんとやな、ヨカ天気バイ』
『空き缶随分集まったね』
『そやけど、あと20箇所くらい
廻るとぜ』
『20箇所もね!どれくらい
集まると?』
『トラック一台分たい!』

おじちゃんは自転車を指差しながら
そう答えた。

もちろん私は速攻で突っ込んだ。

『なんがトラックね、自転車やんか』

『ココ、よおっと見てみい』

おじちゃんが指差すところを見ると
ハンドルを支えるポールの部分に

『福岡県軽トラック協会』

のステッカーが貼ってある。

『軽』の字は手書きだ。

ふふん、と笑ったおじちゃんは
じゃあなと言い残し去っていった。

まあ、あなたがそう言うなら。。。

でも

ケイトラカヨ!

合掌

“172発目 本人がそうゆうなら、という話。” への2件の返信

  1. ほいとって小倉しか通じないって思ってたけど広島人の嫁さんが知ってた!! ちょっとビックリ(゜〇゜;)

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