109発目 Tシャツの話。


舞台IMG_1606

26歳ごろから視力が悪くなり始めた。
おそらく、当時流行った
真っ暗なパチスロ屋のせいだろう。

今ではメガネをはずすと
ほとんど何も見えない。

ただ、メガネをはずすことは
ほとんどないので、困ることもない。

女房の実家が長崎県の諫早なので
正月に帰省するときは途中の
温泉街に寄るのだが
さすがに温泉に入るときは
メガネをはずすので
不便だなと思うときがある。

その年は、佐賀県の嬉野温泉に
寄ってみた。

息子がせがむので二人で
そのホテルの最上階にある
露天風呂に入ることになった。

シャワーを浴び、身体を洗って
湯船につかる。

極楽だ。

息子が大きな声で私に
『お父さん、Tシャツのまま
お風呂に入っていいと?』
と聞いてきた。

何のことか理解できなかったが
湯煙の向こうから一人の
男性が歩いてくる気配がした。
そりゃそうだ。男湯だから。

男性は優しい声で
『ボク、おじちゃんのコレは
Tシャツじゃないとよ』と言った。

そこまで近づいてくれたら
私の視力でも見えるぞ。
その彼は、全身にびっしりと
刺青を入れていた。

私は恐怖のあまり
股間がシュシュシュと
小さくなっていく感覚になった。

『お父さんは何も見えんから
メガネを取りに行こう』
私は子供を促し、そそくさと
その場を後にした。

息子は脱衣所でもまだ
『あの人、Tシャツやったねフフ』
と話している。

私はレーシック手術をすることを
検討することにした。

アーコワカッタ

合掌

“109発目 Tシャツの話。” への3件の返信

  1. ヌハハハ(笑)

    私も左腕に少しお絵かきしてるけど(笑)

    Tシャツとまではいかんけど(笑)

    子供って…( ´,_ゝ`)なかなか怖い者知らず(笑)Tシャツって(笑)(笑)(笑)

  2. 子供にとって単なる疑問でも大人からすると度肝を抜かれることってありますよね
    ウチのチビがねえ、パパ、あのおじちゃんのお姉さんと赤ちゃん指が私よりも短い
    大人なのにおかしいね〜っておいっ!
    ごめんって手で合図したら笑ってくれた夏のコンビニ

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