公園のベンチに座って
本を読んでいた。
滑り台で遊ぶ子供達を
時折、横目で見ながら過ごす
日曜日の昼下がりは
至福のときだ。
ベンチの前にある砂場に
小さな男の子が二人いた。
兄弟のようだ。
仲良く山をつくりトンネルを
掘っている。
砂場の向こう側に
若い女性が立っていた。
『エイト!リアン!帰るわよ。』
なんて名前だ!
今、流行のキラキラネームか?
どんな字を書くのかさえ
まったく想像がつかない。
と、目の前にいる男の子二人が
その女性を振り返った。
そうか、君たちも気になったのか?
そうだよな変わった名前だもんな。
どんな子だろう?その
エイトとリアンは。
ぼんやりとそんなことを考えていた。
女性はもう一度大きな声で
『エイト!リアン!』と呼んだ。
『聞こえてるよ!』
なんと!
エイトとリアンは目の前の
男のたちだった。
『エイト!リアン!』
何度も何度も繰り返し女性は
男の子たちの名前を呼んだ。
だんだんそれが
『エイドリア~ン』
に聞こえてきた。
サテト、カエルカ
合掌