タックスヘイヴン


タックスヘイヴン

タックスヘイヴンとは一定の課税が

著しく軽減もしくは完全に免除される

地域や国のことを指す。

租税回避地とも呼ばれる。

 

その昔、とある広域暴力団が

マネーロンダリング目的で

タックスヘイヴンに送金し

洗浄した金をヨーロッパの

銀行に預け、日本に戻す

というスキームがばれてしまい

大事件へと発展した。

 

登記費用のみで法人が設立でき

なおかつ法人税がかからない

ということで、香港に法人口座を

開設し、こっそり現金を国内から

持ち出して上海香港銀行名義で

株や国債の取引をし、荒稼ぎ

していたつわものもいたらしい。

 

原作者の橘玲(たちばなあきら)さんは

元々、宝島社の編集者だった。

著作には『マネーロンダリング』や

『永遠の旅行者』などがある。

 

今作の舞台は、金融王国として

近年めきめきのし上がってきた

シンガポールだ。

 

イギリスの植民地時代に流入した

華僑が人口の大半を占め、

国土面積は東京23区とほぼ同じという

小さな国だ。

もともとはマレー連邦だったが

1965年に追放されるようにして

立国した。

当時の独立に際してリークワンユー

という人が独立するということを

テレビで演説しながら涙を流した

というのは有名な話だ。

 

さて、話を戻そう。

シンガポールで活躍する日本人

ファンドマネージャーの北川は

ある日、宿泊先のホテルで

転落死を遂げる。自殺か他殺か

分からないまま、日本に残した

妻にシンガポールの日本大使館から

連絡が入る。

相談相手のいない妻は高校時代の

同級生であるサトルに相談する。

 

サトルは北川の妻 シホ の

望むとおり、通訳としてシンガポールに

同行する。

 

もう一人の主人公とも言える

タスクは20代で一生遊んで暮らせるだけの

金を稼いで、現在は情報屋の

柳(リュウ)からの依頼で

様々な金融トラブルを解決する

仕事を趣味でしている。

 

ひょんなことからタスクは

サトルとシホに再会し

北川の死を知ることになる。

 

北川が所属していたプライベートバンク

では1000億円が消えると言う

事件が起こる。

居酒屋チェーンで財を成した

社長は自分が北川に預けた

10億円を取り返して欲しいと

タスクに依頼していた。

 

暴力団や政治家の裏金を

かき集めて組成したファンドは

実はブラジルに原発を輸出すると言う

スキームだったが東北の震災で

まさに泡と消えた。

 

それにより暴力団や政治家、

機関投資家や原発輸出に

からむ朝鮮人、中国マフィアなど

様々な裏家業の面々が

この事件に絡んでくる。

 

北川は自殺なのか他殺なのか?

消えた1000億円はどこに?

本当の黒幕は誰だ?

 

税金の基本的な知識や

お金がお金を生むいう

スキームが詳細に説明されており

読むだけで金融博士になったような

気分になれる1冊だ。

 

実際にこの本に書いている通りに

実行したらうまくいかなくても

責任は取らないと注釈はあるが

もし私が表に出せない大金を

持っていたら試してみたくなる。

 

さあ、このレビューを読んだあなた。

日本の銀行に預けても増えないお金を

シンガポールで増やしてみては

どうだろう。

いや、厳密には増やすではなく

殖やすだな。

 

2日間で一気に読んでしまったほど

面白い作品だ。

 

ぜひ購入して読んで欲しい。

 

アア、カネガホシイ

 

合掌

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