196発目 ブッシュという男の話。


ライナーノーツ

小学校のときから
あいつはブッシュと
呼ばれていた。

髪の毛が天然パーマで
クリンクリンしてるからだ。

生まれながらの嘘つきで
もはや、自分自身でも
どれが嘘なのか
分からなくなってる。

ボーン トゥービー 嘘つき

だ。

虚構と現実の区別が
つかなくなったあいつは
数々の遅刻の言い訳を
生み出した。

中学3年のときが
ピークだったと思う。

朝、学校に行こうと
部屋を出たら、階段の
上のところに妹が画鋲を
置いていて、気づかずに
蹴飛ばしたら、階段に
満遍なく散らばり
降りられなくなった。

とか

お母さんが病気で
洗濯をしておらず
履いてくる靴下がなかった

とか

国道の信号が壊れてて
なかなか青にならず
気がついたら1時間立っていた。

経っていた、ではなく
立っていたそうだ。

とか

玄関を出たら
セメダインを踏んでしまい
身動きが取れなくなった。

と言った時はさすがに
先生も
『だったら靴を履き替えてくれば
よかっただろ?』
と突っ込んだ。

もう、聞いたらすぐに
嘘だとばれてしまうのに
平気で嘘をつく。

笑えない。
あきれる。

彼の言い訳の中で
もっとも稚拙だったのが
これだ。

『先生、来るときに
バスが対向車線から来た
トラックと正面衝突しまして
おおごとになりました。』

『なに!で、お前は
怪我はなかったんか?』

『はい。
歩道から見てただけ
だったんで。』

『廊下に立ってなさい』

シタヲヌカレルゾ

合掌

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クリンクリンしてくりん

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