大きさ ⑧



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その月の月末は中学生になって

初めての遠足だった。

 

遠足と言ってもクラス別に

バスに乗り苅田港まで行って

ニッサン車体の工場を見学するという

割と大掛かりなイベントだった。

 

当日は晴天に恵まれ

ヤマシタ達のクラスは

欠席者はゼロだった。

 

ニッサン工場を見学した後は

猿食新田(サルハミシンデン)に行き

昼食を摂る。

先生は班に分かれて食べなさいと

指示したが、キョウイチが皆に

全員で一緒に食べようと提案した。

 

シンゴンはサトルとヒデオも

一緒にというのが納得行かなかった

らしいが最後はキョウイチに説得され

しぶしぶ了承した。

 

事情を知らない先生は

皆が仲良くなったと勘違いし

ニコニコと笑っていた。

 

他のクラスの生徒達からも

遠く離れた芝生の上に

全員を集めたキョウイチは

ぐるりと全員を見回したあと

こう告げた。

 

『みんな、大事な話やけ

きちっと聞いてくれ。

オレ達はヒデオとサトルを

無視するのを辞める。

オレ達はクラスメイトで

全員が友達やろ?

だから金輪際ケンカはしない。

全員と仲良くする。』

 

クラスの女子の中でも

統率力のあるエミコが

不服そうな顔をして

反発した。

 

『あんた、勝手なこと言いよるけど

サトルとヒデオに謝ったん?

大体、馬とも仲良くするんね?

こいつしゃべらんけ仲良くできんやろうも。』

 

『俺もサトルもキョウイチとは和解した。

俺等もキョウイチの意見に賛成や。』

 

ヒデオは馬をみつめ力をこめて言った。

 

『みんな、聞いてくれ。

馬は俺等みたいにうまくしゃべれんのよ。

どもってしまうけん、恥ずかしくて

しゃべらんくなったんよ。

そうやろ馬?』

 

ヒデオの言葉に驚いた馬は

口をパクパクさせている。

どうしてそれを?とでも

言いたげだ。

サトルが言葉の後を継ぐ。

 

『馬がどもってもみんな笑ったり

茶化したりせんでくれ。

そして馬がきちんとしゃべれる

ようになるまで俺等がたくさん

話しかけて練習台になっちゃるんよ。』

 

みんなは言葉を発さなかったが

それは同意したという意味だった。

 

エミコが馬に話しかける。

『馬、あんたそんなちっちゃいことで

悩んどったん?

私たちはそんなことで笑ったりせんよ。

あんたからもどんどん話し掛けて来。』

 

すると女子のほとんどが

堰を切ったように話しかけだした。

 

『そうよ、馬、どんどん話しておいで。』

『私も練習に付き合うよ。』

 

チヅルは泣いていた。

泣いているチヅルを見て

馬も鳴いた。いや泣いた。

 

『ぼ、ぼ、ぼくはみんなの

と、と、友達に、な、な・・・』

 

『何言いよんか馬。

もうすでに俺等は友達やんか。』

 

『シンゴン、馬がしゃべる途中で

邪魔すんなっちゃ。お前も

しゃべり方練習せないかんのう。』

 

サトルの一言で全員が笑った。

泣いていたチヅルと馬も笑っている。

 

ヒデオが千鶴に向かいこう言った。

 

『ところでチヅルはどんな男が

好きなん?』

 

それはヤマシタが最も気になって

いたことだった。

 

『え~っとねぇ。器の大きい人。

乱暴じゃない人。』

 

『あらあ、そしたら馬、あんた

ダメやん。ちっちゃいことで

悩んどうけ。はっはっは。

ヒデオもキョウイチもアウトやね。

乱暴者やもん。』

 

そう言って笑うエミコにヤマシタは

聞き返す。

 

『俺は?俺は器どんくらい?』

 

『そんなん、聞いてくる時点で

器ちっちゃかろうも。

大体、なんねあんたもチヅルに

惚れとうとね。』

 

ヤバイと思ったときには

全員がにやにやしながら

ヤマシタを見ていた。

ヒデオとキョウイチも顔を真っ赤に

している。

3人同時にクラス全員の前で

振られてしまった。

 

『ぼ、ぼ、ぼくはちちち、ちっちゃく

なな、な、ないよ。』

 

全員が馬を見る。

チヅルも驚いて馬を見る。

馬はそれきり黙ってしまった。

 

翌日から昼休みは全員で

弁当を食べ、数人ずつが

交代で馬とのおしゃべりタイムを

過ごす事になった。

 

昨日のテレビのことや

休みの日に何をしているか、などだ。

 

ヤマシタとチヅルの番が廻ってきたとき

ずっと気になっていたことを

馬に聞いてみた。

 

『前にね、馬が顔をはらして

次の日に学校休んだ時が

あったやん?

あんときさ、チヅルと二人で

馬んがたに行ったんよ。

そんなら家に誰もおらんやったん

やけど、あん時、どこ行っとったん?』

 

『か、かあ、かあちゃんを

む、む、むかえに、行っとったった。』

 

『なあんだ、私てっきり馬君が

失踪したかと思ったよ。』

 

トイレに行くと言う馬と一緒に

ヤマシタもトイレへ向かった。

 

トイレでは他のクラスの奴らや

ヒデオとキョウイチもいた。

 

『おお、馬、どげんや?

だいぶ、しゃべれるように

なったんか?』

 

『そ、そ、そう、やね。』

 

この頃には他のクラスの連中も

馬のおしゃべり教室について

知れ渡っていた。

 

『ところで、馬、お前、

器ちっちゃくないっち

言いよったやろ?

あれ、どうゆう意味か?』

 

馬は全員が見てる前で

ズボンとパンツを下ろした。

 

うわあ。

 

全員が感嘆の声を上げた。

 

馬のそれは中1とは思えないほど

成熟した、いわゆるお父さんの

それと同じサイズだった。

 

ヒデオがつぶやく。

 

『これは、でかいわ。』

 

近所の包茎親父が馬の

それを見て、お前の名前は

馬や、と言ったことが

馬の綽名の由来らしい。

 

『ホントやの。

馬並や・・・』

 

この日を境に馬は学年で

一番男子から尊敬される存在に

なった。

 

大きさって大事だな。

 

ウラヤマシイ

 

合掌



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