759発目 説明をしない歯医者の指先の話。


ライナーノーツ

歯医者といえども
接客業だよな、思える
出来事があった。

ワタシの会社の同僚が
虫歯の治療で歯科医を
訪れた時の話だ。

口コミサイトで評判を
チェックする余裕もなく
土日でも開いている
自宅近くの歯医者を
調べて、そこに飛び込んだ。

痛くて痛くて
たまらなかったらしい。

例の椅子に座らされ
口を開けるように
指示をされた。

医者は黙って
口の中を覗き込み
口の中をいじくりまわし
そして黙ったまま
何かの器具に
脱脂綿をまきつけ
黙ったまま
何かの薬品をつけた。

彼は口を開けたまま
医者の説明を待ち続けた。

その無口な医者は
その後も大した説明は
口にせず
黙ったまま
その器具を口の中に
入れようとした。

彼の不安は頂点に達した。

口の中は違和感で
満載になり
何か苦いものを
感じたそうだ。

『先生、何か説明を!』
と心の中で念じた。

だが彼の願いもむなしく
無口な医者は黙ったまま
作業を続ける。

彼は今、自分の口の中で
何が行われているかを
知るすべがない。

無意識のうちに
舌の先でその口の中の
違和感を触りながら
何が行われているかを
懸命に知ろうとした。

 

舌先に触る異物を
舌先でぺろぺろと
探った。

ぺろぺろ
ぺろぺろ
ぺろぺろ

何度も何度も
口の中の異物を
彼は彼の舌で
舐めた。

舐め続けた。

 

何だろう?
この硬いような
柔らかいような
何とも言えぬ
この感触は?

 

無口な医者は
そこでようやく
重い口を開いた。

 

『あのう、すみません
それは私の指先です。』

 

全国の歯医者諸君!

患者にはきちんと
あなたの治療方法を
説明しよう。

そうしないと
見知らぬオッサンに
指先を舐められることに
なるぞ。

 

キモチヨカッタノカナ?

 

合掌

 

 

 

 

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