先日、ススキノに飲みに
行ったときのことだ。
隣に座った女の子が
私に名刺を差し出した。
見ると
『小山ゆか』
と書いている。
本名か?と問うと
いいえ、源氏名ですとのこと。
何故こんな普通の名前を
選んだのかと不思議に思ってると
逆に覚えやすいと思ってとのこと。
『ゆかぼんって呼んで下さい。』
気は進まないが
本人が熱望するので
そう呼ぶことにした。
私はとかく女性の前では
薀蓄を披露したくなるので
彼女の名前に関する
薀蓄を披露する事にした。
あのね、
ゆかぼんって何か知ってる?
漢字では床本って書くの。
浄瑠璃の太夫が高座で
語るときに使う浄瑠璃本の
事だよ。
彼女は私の言ってる事が
まるっきり理解できない様子だ。
たゆう【太夫】
①狂言、浄瑠璃などを演じる者
(の中でも上に立つ人)
②歌舞伎の女形
ちなみに女形は『おやま』と読む。
つまり私が言いたかったのは
おやまゆか という名前で
ゆかぼんって呼んでくれって
言うのは、なかなか洒落が
利いているということなのだ。
女形床本って字にしたら?
さらに、そのゆかぼん【床本】を
使う太夫にはもうひとつの
意味があって、辞書には
こう書いてある。
【江戸時代、最上位の遊女】
ほっほっほ。
おじさんと遊んでくれるのかい?
こうして今夜もススキノの
夜は更けていくのだった。
あとがき
『薀蓄を披露する』と表現したが
正確には『薀蓄を傾ける』が
正しい。
こうした知識をひけらかす奴
のことを『スノッブ』という。
でも私のことをスノッブとは
呼ばないでほしい。
このサイトによると
私みたいな男は敬遠されるらしい。
→このサイト
ホットイテクレ
合掌
やさぐれちゃだめだめ(笑)