183発目 ドミノ倒しの話



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ライナーノーツ





JR鹿児島本線、博多駅から上り方面に3駅行くと
千早という駅に着く。
割と最近できた駅で、周辺は区画整理が進み
とてもきれいな街並みだ。博多駅まで3駅という
好立地に加え、西鉄電車の乗り入れもあり
天神へのアクセスも抜群に良い。

私の自宅の最寄り駅ではないが
車が寄せやすいので細君にお迎えを
頼むときはこの駅を利用する。

この日、千早駅で降りた私は改札を
抜け右に折れ、北口ロータリーへと
向かった。

博多で電車に乗る前にメールで何分に
着くよと知らせていたがまだ到着してない
ようだ。

北口ロータリーの右側のガード下は
駐輪場でもないのに無断駐輪の
自転車がびっしりと並んでいる。

一人のおばちゃんが自分の自転車を
そこから出そうとしているが
隙間なく並べられた自転車と自転車の間に
長年積み上げられたおばちゃんの太い体は
当然のように入らない。

短い手をいっぱいに伸ばし
ハンドルを掴もうとするその様は
もはや滑稽といえる。

記憶の片隅を刺激するようなひらめきが
あった。がすぐに消し去る。

と、その時、自転車の列の向こう側から
つまりおばちゃんのオケツの方から
シャンシャンシャンと音がする。
それもだんだん近づいてくる。
私は音のする方へ目をやり
ああぁ・・・と感嘆とも嘆息とも
つかない声をあげてしまった。

自転車の列の向こう側で無理に自分の自転車を
出そうとした奴が倒したのだろう。
まるでドミノ倒しのように次々と自転車が
倒れてくる。
ガシャンガシャン。ガシャンガシャン。

倒れた自転車はやがておばちゃんのオケツに
近づき力強くおばちゃんをも倒した。

『んぎゃ』

おばちゃんは悲鳴を残し、他の自転車と同様に
倒れこんでしまい、それ以外の自転車に挟まれたまま
動けなくなったようだ。

『キャー助けて~』

おばちゃんの叫び。
私はこりゃ大変だとおばちゃんに
近づこうとする。

その一歩を踏み出そうとしたとき
ロータリーからクラクションが鳴る。
見るとウチのお迎えが到着したようだ。
子供たちが窓から手を振っている。
『お父さああぁん、おかえりぃぃ』

私は子供たちに向かって手を振り
車に近づいて行った。
この間、わずかコンマ数秒。
おばちゃんの事は頭から消え去っていた。

が。

『誰か!誰か!』
悲痛とも呼べるおばちゃんの叫びが
再び私に何かの記憶を呼び戻させた。

あのおばちゃんだ!

かつて何度か私のこの小噺に
出てきたあのおばちゃんである。

結局、今回は知らん顔をして
やり過ごした。

ドコニスンデルンダロウ?

合掌

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小倉のマツエクサロンミック【Mic】
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