168発目 悲しい結末の話


ライナーノーツ

あるところに3匹の子豚がいました。

子豚たちはお母さんに
『そろそろあんた達も独立しなさい』
と言われたので
それぞれは実家を出て
一人暮らしを始めようとしました。

長男はお金もなかったので
近所の公園に行き
ダンボールを使って
家を建てました。

ソレを見ていた公園の住人達が
作り方を教えてくれと
言ってきたので、設計管理料として
総工費の15%を頂くことにしました。

次男はやはりお金がなかったので
知り合いの材木屋に頼んで
材料をもらい自分で建てようとしました。

銀行に行き、土地代だけは
なんとか融資がついたので
駅に程近い20坪程度の土地を
買いました。

ソレを見ていた他の豚たちが
『金融機関との折衝の仕方を
教えてくれ』と頼んできたので
融資額の10%を手数料として
頂くことにしました。

3男は比較的貯金もしていたので
賃貸マンションを借りることにしました。

駅前にある不動産屋をいくつか
回りましたが、豚に貸す部屋はないと
全てに断られました。

仕方ないので、母親に頼み込み
実家に戻ることにしました。

その年、地方自治体が
公園に住んでいる豚の家を
一斉撤去することになり
長男は住む場所を失いました。

仕方なく次男のところに
身を寄せようとしたところ
次男の家は違法建築である上に
固定資産税が未払いだったため
差し押さえにあっており
地方自治体から追い出されました。

二人は途方にくれ
母親のところに行きました。

ところが地方自治体が
近隣からの通報をもとに
親子豚を捕獲しに来ていました。

丁度その場に帰ってきた
長男と次男もそのまま
捕獲され、一家は全て
とんかつに加工されました。

起業したとしても、簡単にはいかないという

教訓めいた話ではあるが

決して『豚』を『誰か』に

置き換えないように。

 

コンヤハ、トンカツ

合掌

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