112発目 自由を奪われる話。



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舞台IMG_1606




肩がぶつかったとか、あいつのほうが
強いとか、足が速いとか、
好きな女を取られたとか、
理由は何でも良かったんだろう。
とにかく、ちょっとしたことで
喧嘩をするのが、中学生の特徴だ。

昼休みにあいつを呼び出した。と
彼が私に告げてきたのは
2時間目と3時間目の間の
休み時間だった。

『何があった?』と聞くと
『俺のほうがあいつより強いと
証明するんだ』と力強く
宣言した。

勝算はあるのかい?
そう尋ねる私に彼はOKサインを
右手で作り、こう言った。
『奇襲攻撃だ。』
どこかに隠れて、あいつが来たら
飛び出してボッコボコだ。と。

それは卑怯じゃないか、とは
言えなかった。
そもそも私は誰が強いとか
そうゆうことに興味がなかった。

でも野次馬根性も人並みに
あるので、私は仲のいい友人と
結果を見届けようと、昼休みに
体育館の裏へ向かった。

向こうから喧嘩相手のあいつが歩いてくる。
『あれ?もう終わったの?彼は?』
『あっという間だよ。』

正直言って、そんなに実力差が
あったとは!と驚いた。
急いで体育館の裏へ走る。

彼の姿は見当たらない。

と、足元からうめき声が。

溝の中に閉じ込められた彼が
仰向けのまま、こちらを見ている。

『サトル、助けてくれ』
どういうことだ?事態が飲み込めない。

『隠れるところがなかったので
溝の中に入ったら、出れなくなった』

『バカ』以外の言葉が浮かばなかった。

結局、我々の力では助けることが
出来ずに、先生の力を借りる。
やっとの思いで、溝から開放された彼は
今度は指導室に閉じ込められた。

数年後、中学を卒業し、定職にも
つかずブラブラしていた彼は
暴力を生業とする企業にスカウトされ
競合相手の幹部社員に拳銃を
ぶっ放した罪で、投獄される。

思えばあの日を境に彼は
ずっと何かに閉じ込められ
自由を奪われた人生を送っている。

私は彼の溝にはめ込まれた
あの姿を一生忘れることは
ないだろう。

自由とはなんなんだろう。

イキテルカナァ

合掌



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くりんくりんしてみてん


小倉のマツエクサロンミック【Mic】
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“112発目 自由を奪われる話。” への3件の返信

  1. 吹き出しちゃった
    みぞにはまった彼を想像して。
    ラストがシュールですね
    笑ってごめんと思っちゃったよ

  2. ピンバック: 137発目 自由を奪われる男の話 その後 | ライナーノーツ

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