681発目 家族の愛の話。



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テントの設営が終わったら、熱いコーヒーを入れてゆったりと過ごすのがキャンプでの習慣だ。森の中や山の中、小川や湖のほとりで鳥の声や風の音に耳を澄まし、そのゆったりとした時間の流れに身をゆだねている時は至福と言える。

 

そして、これもキャンプ場でのルーティンとも言えるのだが、その静寂やゆったりと流れる時間を壊すのが、我が家の子供たちだ。

 

「お父さん、キャッチボールをしよう。」

 

「お父さん、お絵描きをしよう。」

 

「お父さん、探検に行こう。」

 

私はそのたびに飲みかけのコーヒーをテーブルに置き、重い腰を上げる。決して「このコーヒーを飲むまで待ってくれ」などと無粋なことは言わない。子供と過ごせる時間は限られているからだ。今この時を逃すと、子供と過ごす時間は永遠に訪れない。その覚悟で私は子供に向き合うことにしている。

 

と、書くと聞こえはいいが、たんに静寂よりもキャッチボールや探検の方に興味をそそられただけ、ということは子供たちには内緒だ。

 

その日もテントの脇で息子の要望に応えキャッチボールを始めた。

 

「よおし、もっと左足をまっすぐに前に踏み出して。」

 

「そう、お父さんの胸をめがけて。」

 

「そうじゃなくて、ボールはこう握るんだ。」

 

と、父親らしく偉そうに指導してみたりもする。頬をなでる森の風が心地よい。

 

ふと、足の裏に違和感を感じたので、息子に「待った」をかける。どうやら靴の中に砂利でも入ったのか?靴を脱ぎ逆さにして振る。

 

「よし、いいぞ。」

 

キャッチボールを再開すると、またもや足の裏に違和感がある。あれ?取れてなかったのか?私はもう一度息子に「待った」をかける。

 

今度は逆さに振った後、右手を奥まで入れて靴底に入っているものを根こそぎ掻き出す。だが、やはりまた違和感を感じた。

 

度重なる「待った」に息子もしびれを切らしている。「お父さん、ホントは止めたいんやろ!」

 

確かに、以前、こういった手法で息子からのお誘いを断った前科はある。しかし今回は違う。

 

「いやちょっと待て、足の裏に砂利がひっついとるんよ。もしかしたら靴の中やなくて靴下の中かもしれんけん、キャッチボールはいったん中止や。」

 

私はテントのところに戻り靴下を脱いでひっくり返した。もう一度、靴下と靴を履くが違和感は取れない。

 

息子を呼び足の裏を見させる。「なんか着いてないか?」

 

息子は私の足の裏を隅々まで観察し、今度は指の腹で触りだした。いわゆる触診だな。

 

すごいなぁ。足の裏なんて自分で触るのも嫌なくらい汚いのに、息子は嫌な顔一つせずに触って来るんだなぁ。と妙なところに感心してしまった。きっとこれが愛だな。家族の愛だ。きっとそうだ。

 

「あ!お父さん!これやない?」

 

そう言って息子が指でグイっと抑えた個所に鈍い痛みが走った。

 

「いてて、何や?」

 

「なんやろ?いぼかなぁ?」

 

「ちょっとお母さん呼んで来い。」

 

息子が妻を呼びに行く。

 

「どしたん?」

 

「お母さん、お父さんのここ、見て。」

 

息子がいぼの場所を教える。妻は腰をかがめ覗き込む。私は妻に見やすいように少し足をあげる。こういう気づかいが出来ることも愛だな。家族の愛だ。

 

「ああ、なんかぽちっとなっとるね。」

 

「そやろ?いぼかいな?」

 

「どうやろ?痛い?」

 

「うん。ちょっとね。指で触ってん。いぼやったら固いやろ?」

「いやよ!何でこんな汚いもん、触らんといかんのよ!」

 

家族の愛は?

 

イズコヘ

 

合掌



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