659発目 20代もすぐに終わる話。



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思春期はたいていの人が10代で迎えるものだろう。

 

かつて、フラワーカンパニーズというバンドは彼らの楽曲「深夜高速」の中でこう歌っていた。

 

「10代はいつか終わる。生きていればすぐ終わる」

 

でも、あの頃ボク等は、10代は永遠に続くもんだと思っていた。

 

だから恥ずかしい思いをしたら、死ぬしかないと勘違いしたりもした。

 

あれは、確か高校2年生の夏休みだった。 思春期真っ盛りのボクは自分で購入したものや、友人から借りているものも含めると、十数冊のエロティックBOOKを所有していた。 それを自室のコタツ机の上に置いたまま、出かけてしまったのだった。

 

友人と遊び、夜遅くに帰宅したボクを待っていたのは、リビングのテーブルに並べられたボクのエロティックBOOK十数冊と、その前に鎮座する母親だった。

 

「あんたさ、無防備すぎるよ。あんたも思春期やろうけど、妹が二人もおるんやけ、出しっぱなしで出かけたりしなさんな。」

 

母は、場の雰囲気が悪くならないように極力気を使った言葉を選んでボクを叱責した。 だが、ボクは恥ずかしさと驚きでしどろもどろになってしまい、言い訳とも説明とも付かない言葉を発していた。

 

「友達から預かってるだけだ。」 とか 「そんなに興味が無いから中は見てない」 とか。

 

今考えれば、浮気がばれたときの男の態度に近かったと思う。 あ~だめだ!これでオレの青春は終わった!もう死のう!とすら思っていた。

 

しかし、時が経てばなんてことない。 10代は、つまり思春期はフラワーカンパニーズの言うとおりすぐに終わった。生きていればすぐに終わった。 死ぬ必要なんてなかった。

 

最近になって、ふと「あのときのボクはどんな表情をしていたのだろう?」と思うことがある。 きっと、とても醜い表情だっただろう。 あの表情はボクの母親しか知らない。

 

 

地下鉄で横浜駅に着いたボクはゆっくりと改札を抜け、地上に上がる階段を目指していた。

 

前方から高いハイヒールを履いた20代と思しき小太りの女性が、人ごみを避けながらこちらに向かって走ってきた。

 

ボクの右の脇を走りぬけようとしたとき、彼女の右肩にかけた鞄がボクに当たった。 ドゴンという衝撃でボク自身もヨロっとするくらいだった。

 

彼女はもっと衝撃が強かったらしく、その場に転んで、持っていた鞄もバ~ンと中身をぶちまけた。

 

「いたたたた。」

 

周囲を歩いていた人も驚いていたが、誰も手を貸そうとしなかった。ボクは当事者だという自覚があるから、なんとか立ち上がって、彼女の散らばった荷物を拾ってあげた。

 

本が7~8冊ほどばら撒かれている。 なるほど、あの衝撃はこの本の重みだったのか。痛いはずだ。

 

ボクが本を手に取ると、その20代と思しき小太りの女性は慌てて近づいてきた。しかし、転んだ拍子にハイヒールのヒールたる部分が折れてしまったのか、うまく歩けないようだ。

 

「ちょっと、ちょっと!すみません!ちょっと!」

 

ボクが手にした本を取り返したがってるのか? 見ると、その数冊の本はすべてエロティックBOOKだった。

 

なるほど、そうか。そうだよな。女性だってエロティックBOOKに興味あるよな。

 

もう一度、彼女の顔を見た。

 

醜い表情だった。

 

そうか、ボクはあの時、こんな表情だったのか。

 

ニジュウダイモスグオワル?

 

合掌

 

 



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