607発目 熱い話。



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ライナーノーツ



暑いですね~、が最近の挨拶の代わりになっている。

 

とにかく猛暑日が続いている。 天気予報やニュースで 「関東地方に梅雨明け宣言が出ました。」 って言われても、ほとんどの人が 「とっくに暑いやないかい!」 って突っ込んだんじゃなかろうか?

 

駅までの道のりで汗をかき、エコという名の下に27度に設定されたオフィスで汗をかき、外回りの営業で汗をかき、帰りの電車で汗をかく。

 

一日の水分の補給は軽く2リットルを超え、飲んだ水分より多くの汗をかいている。

 

訪問先で冷たい麦茶を出されたりした日にゃあ、砂漠で見つけたオアシスのようにグラスにかぶりつく。 エアコンで冷えた応接室から出ると、先ほど飲んだ麦茶が一気に首筋や背中にあふれ出す。

 

「本当は、今日みたいな夏日にこそ熱いお茶を飲んだ方が良いのですよ。」

 

と年配のお客が教えてくれるが、こちらとしては 「身体に悪くても良いから冷たい飲み物をくれ」 と言いたくなる。 実際には目の前には冷たいアイスコーヒーが用意されている。

 

室内ならまだましだ。

 

仕事柄、炎天下の中、新築のアパートが建てられる計画地をとぼとぼと見て廻らなければならないことも多々ある。

 

現地で汗をたらしながら道路や隣地との境界線を確認しているときに、一人の男性に声をかけられた。

 

「ウチの土地に何か御用ですか?」

 

私は自分が立っている足元を確認し、そして男性に向き直る。 汗がしたたり落ちるのを拭きもせずに男性に答えた。

 

「すみません、この隣の土地の調査でやってきてまして。 うっかり、こちらの敷地に入ってしまっていたようです。」

 

私は当該土地ではなく、声をかけて来た男性の敷地に入り込んでいた。

 

「いえいえ、暑いのにご苦労様です。 不動産の方ですか?」

 

「ええ、まあそんなようなものです。」

 

私はあいまいに答える。

 

「そこの土地は元々私の父の所有していた土地なんです。 昨年、亡くなってしまいましてね。 相続税を払うために売ったんですよ。」

 

この国では不動産を持っていても売っても貰っても税金を取られる。

 

「そうだったんですか。」

 

「ええ、他にも土地はあったのですが、この土地が一番、悪い意味で日当たりが良かったんです。」

 

男性の言い方に引っかかりを覚えた。

 

「悪い意味で?」

 

「そうなんです。 地球温暖化って言うんですかね? そこに古屋が建ってたんですが、日当たりが良すぎて朝から晩までエアコンをかけててもまったく冷えないんですよ。 東西南北、四方から直射日光が当たるモンですから、外壁も熱々に焼けてました。」

 

なるほど。 日当たりが良すぎるのも考えモンだな。 過ぎたるは及ばざるが如しか。 ちなみにお父さん、直射日光は北からは照らさないので四方からというのはおおげさですよ、とは言わない。 それくらいの礼儀はあるし、勝手に敷地に入り込んだ引け目もある。

 

そろそろ、暑さも限界だ。 お父さん、あなたのおしゃべりにはこれ以上長く付き合えませんよ、という意思表示のために私は軽く会釈した。

 

「では、私はこれで」

 

「ああ、すみません。忙しいのにお引止めして。もしこれ良かったら。」

 

彼はすぐそこにあるコンビニエンスストアのロゴが入ったビニール袋を私に差し出した。 おお!救世主よ! そうとも。私が欲しかったのは、じじいの戯言ではなく冷たい飲み物なのだよ!

 

「いいんですか?」

 

「ええ、ブラックコーヒーですけど。」

 

「構いません。ありがたく頂戴します。」

 

私は車に戻りエンジンをかけエアコンを全開にした。 そしてビニール袋から先ほど献上されたコーヒーを取り出す。

 

「あちっ!」

 

ホットジャネエカ!

 

合掌



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