556発目 待つ話。


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麻雀をやっていて悩む場面といえば?と問われれば、やはり「辺張」と「嵌張」のどちらを嫌うか?という時であろう。それぞれ「ペンチャン」「カンチャン」と読む。麻雀を知らない人のために簡単に説明しておこう。

 

「辺張」(ペンチャン)とは①②を持っていて③を待っている時の事を言う。もしくは⑧⑨を持っていて⑦を待つケース。これも辺張待ちだ。一方「嵌張」は①③を持っていて②を待つ事を言う。端っこを待つか?間を待つか?と言うことだ。

 

私は、「辺張」を嫌う。 確率の問題だ。①~⑨の数字を3つ使って連番の組み合わせ作るとする。 例えば①②③や⑥⑦⑧とかだ。全部で7通りできるのだ。下を見てくれ。

 

①②③
②③④
③④⑤
④⑤⑥
⑤⑥⑦
⑥⑦⑧
⑦⑧⑨

 

で、見てもらって分かる通り、辺張で待つ場合の③と⑦はこの7通りの組み合わせのうち、6組で使われているのだ。だから誰かが持ってる確率が高いし、捨てられる確率は低いだろう。つまり私が手にできる確率が格段に低いのだ。ペンチャン待ちはこんな風にも言われている。

 

辺張待ちは悪魔の囁き

 

横浜市営地下鉄にはブルーラインとグリーンラインというのがある。横浜まで20分強で到着するのだが、かなりの混雑を覚悟していたのに意外にも混んでなくて拍子抜けした。

とは言え、「空いている」とも言い難く、かと言ってすし詰め状態でもない。うまくいけば座れるのだ。こちらに越してきての初日の通勤では奇跡的に座れたので、持っていた小説もゆっくり読めた。

 

乗ってすぐに座れない日々が続いているが、それでもある一つの法則に気がついた。

 

「新横浜で降りる奴が結構おる」

 

 

新横浜から目的地の横浜駅までは5駅ある。この5駅分 座れるだけでかなり楽ができるのだ。

 

私は次の日から観察した。誰が新横浜で降りるんだ?お前か?それともお前か?

 

電車に乗り込むと私はすぐに左右を見渡し新横浜で降りそうな奴を探す。小さめのキャリーバッグを持っている奴がいる。ってことは出張か? 出張なら新横浜乗換で新幹線使うんやろ~!ここや!ここしかない!そう思ってキャリーバッグ青年の前に立つ。だが青年は横浜まで席を立とうとしなかった。 羽田かい!飛行機かい! 私は心の中で舌打ちする。

 

次の日は9人掛けの端から3番目の高校生の前に立ってみた。麻雀で言う所の「辺張」だ。頼むぜ~学生。でっかい口あけて寝てるなあ、お前。まさか九州のことを丸州と思ってるんじゃねえだろうな?

私の右隣に立つサラリーマンが不敵な笑みを浮かべ私を見た。「お前ペンチャン待ちで上がれると思ってんのか?」とでも言いたげだ。確かに。だがお前の前のオッサンは明らかに横浜まで乗って行きそうな暇を持て余したジジイじゃねえか!

 

電車のアナウンスが北新横浜を告げる。よしよし。上手くいけば俺のペンチャン学生が降りてくれるか?

 

 

 

だ~れも降りん。

 

いや、次だ。本命の新横浜だ! ガサゴソと私の右隣のサラリーマンが待っているジジイが動きを見せた。

 

しまった~!そっちか~!

 

ドアが開きジジイがリュックを担いで降りて行った。右隣のサラリーマンは余裕の表情でそこに座り、スマートホンをいじりだした。

 

ま、負けた。_| ̄|○

 

やはりペンチャン待ちは悪魔の囁きだったのか。

 

結局、高校生は横浜駅でも降りなかったから睨みつけてやった。むこうにしてみれば朝っぱらから理由もなく「ガン」飛ばしてくるオッサン、と思っただろうな。

 

こうして私の朝の通勤戦はツヅクのだった。

 

 

オシマイ

 

合掌

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