108発目 居眠りの話。


ウィアーザワールド

1985年、ライオネルリッチーとマイケルジャクソンが
作詞作曲をした名曲
『We are the World』
クインシージョーンズがプロデュースしたことでも
有名な曲だ。

私はこの名曲のPVが大好きで
欧米の有名なミュージシャンが
かわるがわるそれぞれの
パートを歌うという企画にも
感心した。

特にスティービーワンダーが
ピアノを弾きながら歌うところが
好きで、よくピアノを弾きながら
まねしたものだ。

高校1年のとき、私の前に席に
あまり目立たない、おとなしい
女の子がいた。
今では名前も覚えてないが
彼女のあのときのことははっきりと
思い出せる。

おそらく試験前か何かで
夜遅くまで勉強したのだろう
私の前でその彼女は
居眠りをしだしたのだ。

寝ちゃいけない!と思うのだろう
こっくりこっくりなりながらも
ハッと目を覚ましたり
またうつらうつらしだしたり。

とうとう我慢の限界が来たのか
彼女は左右に揺れだした。

その様子がまさに
We are the Worldの
スティービーワンダーそのものだった。

私は授業中であるにもかかわらず
彼女の揺れに合わせて思わず、
歌ってしまった。

先生が『山下、なん歌いよるんか!』
と激を飛ばす。
彼女はその大声にびくっとして
目を覚ました。

休み時間になると彼女は
私の方を振り返り、私のせいで
ごめんなさいと言うではないか!

気にしなくていいよ、
世界は一つだよ。
と言えなかった16の秋。

その日も今日みたいに
雨が降っていたな。

今ではあの曲を聴くと
彼女の居眠りを思い出すように
なってしまった。

イイメイワク

合掌

“108発目 居眠りの話。” への3件の返信

  1. ある意味忘れられない思い出ですね(゚◇゚)!!!!

    よく彼女も、自分のせいって分かったなぁー( ゚д゚ )

  2. ピンバック: 365発目 自分を卑下する話。 | ライナーノーツ

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