七つの会議



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「俺たちバブル入行組」が「半沢直樹」とタイトルを変え、ドラマ化されたことで一気に知名度を上げた池井戸潤。 このドラマでは 「やられたらやり返す。倍返しだ!」は、若い子もオッサン連中もみんな真似していた。

 

また、総理大臣と女子力の高い大学生の息子が入れ替わってしまう「民王」(たみおう)もドラマ化されたし、家業の町工場を継いで、大手メーカーと特許の件で争う「下町ロケット」も記憶に新しいだろう。

 

今や、誰もが知っている池井戸潤の作品は、実は今まで1作も読んでなかった。だから今更、買って読む気にもならなかったのだ。プライドの高い私は本屋の店員に「あら、この人、ドラマやってるから原作を買いに来たのね。ミーハーだわ」と思われるのじゃないかと勘繰り、購入をためらっていた。

 

で、今回は紀伊国屋のレジの人がオッサンだったので「今しかない」と思い、(つまり私がミーハーと思われたくないのは若い女性店員だけだったのだ)この文庫本を手に取った。

 

帯にはこう書いてある。

『いやあ面白い!ぐいぐい引き込まれ、時間を忘れて読んだ。』池上冬樹氏。

 

ふ~ん。そお?池上冬樹って人がどこの誰かは知らんけど。

 

とにかく、江戸川乱歩賞作家の作品を誰にもミーハーだと思われずに読みたい!と思ったのは事実なのだ。私はこの文庫本を購入した。

 

タイトル通り、物語は七つの会議で構成されている。

《第1話》

ある、おとぼけ万年係長が自分の上司である年下の1課の課長 坂戸をパワハラで訴える。周囲の誰もが「たいした処分はくだらないだろう」と思っていた。それもそのはず、坂戸は会社のエース級の営業マンで、常にトップ、常に目標達成のエリート。何より部長に可愛がられていた。ところが上の判断は理不尽にも「更迭」だった。

《第2話》

大阪にあるねじ工場は突如現れた坂戸から転注、つまり別の会社にねじを発注すると告げられる。もう一度見積もりをやり直し、赤字覚悟で仕事を受けるべきか、断るべきかの岐路に立たされる。だが、不思議なのはどんなに計算しても坂戸が持ってきた見積もりの数字にはならない。なにかカラクリがあるのか?

《第3話》

営業事務の優衣は経理課の新田と社内不倫の関係だった。が一方的に新田から別れを告げられた優衣は会社を辞める決意をする。新卒で入社して以来の自分を振り返ってみて、はたと自分が何も残せてないことに気がつく。何か形に残したい。この会社にいた証を残したい。そう思った優衣は同僚の桜子の手助けである企画を思いつく。それは残業している人達向けのドーナツ無人販売だ。移動パン屋の三雲青年と知り合い、ドーナツの社内無人販売にこぎつけた。退社まであと2週間を残したところで事件は起きた。お金を入れずにドーナツを持っていく不道徳な輩がいるらしいのだ。優衣は桜子に協力してもらい犯人捜しをする。ドーナツ販売所の近くで隠れてみていると新田が近づいてきた。そしてドーナツを二つ手に取るとお金を入れずに立ち去ろうとした。新田の前に立ちふさがり詰問する。新田は慌てるが、その場を取り繕った。そしてプライドを傷つけられた新田はその怒りの矛先を優衣ではなく別の方向へぶつけだす。

《第4話》

予算会議は営業部と経理部で行われていた。営業の不手際を指摘した新田は坂戸の代わりに課長に就任した原島に食って掛かる。ところが、そんな新田を軽くかわし、逆に新田のミスを指摘した原島に新田は筋違いの怒りをぶつけようとする。そして独自に営業の行った行動の不振点を調査しだした。やがて新田はある事実に行きつく。これで原島をぎゃふんと言わせられると考えた新田は早速上司に報告する。上司はさらにその上の上司に相談するが結果は・・・・

《第5話》

社内政治家と言われたサノケンこと佐野健一郎はかつて営業部次長として社内を肩で風を切って歩いていた。当時、営業部長の北川と製造部長の稲葉は犬猿の仲だった。稲葉はそっとサノケンに近づいた。そして北川の弱みをつかもうとしたのだが、ある日 北川に稲葉と一緒のところを見られてしまう。そのため、サノケンはカスタマーセンターに飛ばされる。これで自分のサラリーマン人生は終わった、と嘆いていたが、あることをきっかけに営業部の不正に気がつく。そこで佐野は独自で調査をし、その告発を社長にすることで、自分を飛ばした北川と自分を利用するだけしてあとは捨てた稲葉の二人に復讐できる、とそう考えたのだ。だが社長の決断は想像を絶するものだった。

《第6話》

かつて営業部のトップを争っていた若かりし頃の北川が一番警戒していたのは、同期入社の八角(やすみ)だった。今でこそ万年係長で周囲からは「ハッカク」と呼ばれている。だがある日、ハッカクはなかば押し売りのようにして商品を売りつけた相手が自殺したというニュースを耳にする。ショックを受けたハッカクは会社のノルマ至上主義に意を唱えるようになった。言うことを聞かないハッカクを疎ましく思った上司たちはハッカクを営業1課で係長のまま飼い殺しにするようになった。出世コースから離脱したハッカクを尻目に北川は順調に成績を上げついに1課長の座を手に入れる。そんなある日、ハッカクは北川が不正に手を染めていることを知ってしまう。だがハッカクは北川には何も言わなかった。北川はハッカクが気づいているとはつゆ知らず、上司に意見をするハッカクに注意した。「そんな態度を続けても部長の方針は変わらないぜ」だがそのことに反論したハッカクに北川は「だったら会社なんて辞めちまえ」と言い放った。「お前にそんなことを言う資格があるのか?」と静かに見てくるハッカクが何か知っているんじゃないかと北川は気がついてしまう。

《第7話》

告白文を受け取った社長が自分の意図とは違う決断をしたことで佐野の当初の目論見は外れた。そこで佐野は親会社から出向してきている村西にも匿名で告白文を送った。村西は営業部長の北川を自室に呼び出すと彼に手紙を見せた。観念した北川は事の真相を語りだした。それは実に2時間にも及ぶ告白だった。村西は静かに北川に尋ねた。「社長もこのことを知ってるんだね?」 北川は首を横に振り、こう答えた。「いえ。すべて社長の指示です。」

《第8話》

親会社から調査委員会が派遣されてた。いよいよ佐野が目論んだとおりになると思われたが、ここでも親会社は意外な決断を出した。ハッカクは会社の判断にがっかりした。折角、佐野を使って事件を明るみにしたのに、隠ぺいしてしまわれれば何の解決にもならない。意を決したハッカクは佐野の告発によって始まった一連の出来事に便乗しとある新聞社に情報をリークした。

 

 

多かれ少なかれどの企業でも上に立った人は保身に走る。今の境遇を失いたくないからだ。歳をとって機敏に動けず、パソコンも扱えず経費ばかり掛かる年配の執行役員や取締役なんて、それこそ日本中にゴロゴロいるんじゃないか?この作品を読んで私は会社の組織の在り方に疑問をもった。仕事もできないくせにいつまでも役員待遇で会社に居座る、いわゆる老害が会社からなくなる日は来るのだろうか?

 

すくなくとも自分が年老いてなお、会社に居残るのなら、こうしよう。

「老いては子に従え」

 

合掌

ぜひ買って読んでみて。



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