508発目 嘘に嘘を重ねる話。



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ライナーノーツ





 

1人で昼食を摂る時には、比較的1人で入りやすい店が多いのだが、たまに ”フォカッチャ” とか ”エッグベネディクト” とか、訳の分からんモノも食べたくなる。 名前だけでどんな食べ物か想像つかないから、私にとってのそれは、闇鍋に近いものがある。 で、そうゆう店に限ってお客さんは女性が多い。 私は近くに座る女性達が食べているのを見て、店員を呼び 『あの人と同じものを。』 と注文する。 色白でスリムな体型の女性店員は、孔雀の羽のようなまつげをバサバサさせて 『ご注文は以上ですか?』 と静かに問い返してくる。 私は静かにうなずく。

 

しばらくは隣の席に座る女性達の会話に耳を傾けながら携帯電話でSNSをチェックする。 隣の会話を盗み聞くのは、ブログのネタにするためで、もはや私のライフワークとなっている。 男性同士の会話より女性同士の会話の方が面白いと言うことがこの1年くらいで分かって来た。 だから無理をしてでもカプレーゼとか見たことも聞いたこともないものを出す店に来るのだ。

 

『もうさ、ひどくな~い?』

 

早速、隣に座る女性が怒っている。 肘を突きフォークを持ったままの右手で正面に座る女性を刺す様な仕草をしながら喋っている。

 

『え?なにが?』

 

なんと! 会話の冒頭だったのか? いきなり 『ひどくな~い?』 で始まるのか? すごいなこの女。 こっそり私は隣に座る女性に視線を送る。 太ってると言うほどでもないがスレンダーではない。 我々40代の男性のような体型をしている。 つまりおなかがポコンと出ている体型だ。 かわいそうに。オッサン女だ。

 

『こないだぁ、短大のときの友達と久々に会ったの~。』

 

私のはす向かいに座る女性は時折、視線をオッサン女に向けながら一生懸命、サラダのような麺類のようなものを頬張っている。目が大きく色が白く顔が小さくスレンダーだ。 少女マンガに出てくるような女の子だ。

 

『もうさ、あたしたち30じゃん? 周りはどんどん結婚してってさぁ。 あとは私達だけじゃんね~?って言ってたの~。』

 

そうか30か。少女マンガは何歳だろう?

 

『別にいまどき30で独身って珍しくないじゃん?』

 

ってことは少女マンガも30くらいか。そうだなオッサン女も敬語使ってないしな。

 

『でさ、なんであの子が結婚できて私が~~!みたいな話をしてたわけ。 で、その後はさ、お決まりのあれよ、あれ。』

 

『あれ?』

 

『そうよ、あれ。 あたし達の誰かが結婚するときは抜け駆けなしよ!ってあれ。 意味分かんねぇっつうの。』

 

『あ~あ~。』

 

ほほう。抜け駆けとはどうゆう状態だろう?彼氏が出来たとかプロポーズされたとかをいちいち報告しあわなければならないのか?

 

『で、じゃとりあえず、今、彼氏いる人~?つって』

 

『誰もいねぇじゃん!って?』

 

『いやさ、そこでさ、私ウソついちゃったんだよ。彼氏いるって。』

 

 

お、面白くなってきた。

 

 

『なんで?なんでそんな見栄はるかなぁ? いない歴何年だっけ?』

 

 

『10年。』

 

『数えるのもイヤになるくらいの年数だね。 ベテランじゃん。』

 

少女マンガの突込みがするどいなぁ。

 

『いや、違うのさ。 もし出来たら、また全員集めて、彼氏出来ました~ってやんの面倒じゃん? だから先に言っといて、次会うまでに出来てればいいかなぁ?って。』

 

『なんか、あてがあんの?』

 

『ないわよ!ないからベテランになってんじゃん!誰か紹介しろよって話よ!』

 

『いないわよ、私の周りにもそんな男。 いてもバツイチとかチャライヤツくらいよ。』

 

『ま、それは置いといてさ。 何が腹立つってあんた。』

 

『まだ、何かあったの? ってゆうか置いといていいの?その深刻な問題。』

 

『いいのよ!それより腹立ったのはさ、』

 

『分かった。 ウソが見抜かれた!』

 

『違うわよ!信じたわよ!全員が一点の曇りも無く。 だけどさ、それが災いしたってゆうかさ。』

 

『連れて来いって言われた?』

 

『違うわよ。これ。』

 

ここでオッサン女がひときわ小さな声になった。 少女マンガがテーブルに身を乗り出してオッサン女が指差したところを覗き込む。 私もこっそり覗き込む。 オッサン女は自分の下腹部を指差してた。

 

『妊娠してると思われた。』

 

少女マンガはパスタ的な何かを吐き出した。

 

『ちょっと~汚~い。』

 

『ごめんごめん。 でもなに?それ、妊娠って! あっはっはっは。どうすんの~?』

 

『だから、式は挙げないって言っちゃったわよ!』

 

『もうだめだ! あんたのこと明日から想像妊娠って呼ぶわ。』

 

『あ、こんな時間。昼休み終わっちゃう。』

 

 

こうして二人の女性は店を出て行った。 結局、私は今日も何を食べたかよく分からなかった。

 

トマトトチーズシカオボエテナイ

 

合掌

 

 



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