何かさ、自分が思ってたことと
違うことをされたり、見たりすると
『え～～～～！』って言う人、
あ～ゆ～人ってどう思う？
『え～～～～～～？
ねぇねぇヤマシタさん。
あそこ見てくださいよ!!!』
ヤツが指差す方向を見たんだよね。
ヤツは取引先の若手営業マンで
とにかく『え～』が多いんだ。
で、今日もまた一緒に居るときに
出たよ、『え～』が。
ヤツの指差す方向には
横断歩道で信号が変わるのを
待っている男がいるだけだ。
『あそこってどれですか？』
『いや、あそこの信号待ちの男。
めっちゃ色黒ですよね？
信じられませんよ。』
確かに色黒だ。日焼けによるものか
汚れなのか判然としない。
何が信じられないのか？
『色黒なのに太ってるって
信じられません！』
色黒の人はやせてなきゃ
ダメなのか？
ってゆうか、どちらかというと
黒人なんて太ってる人の方が
多いイメージだぞ。
なんだ？お前のその偏見というか
歪んだ常識は？
ヤツとは噛み合わない事が
多いんだ。他にもある。
深夜に中洲からタクシーで
帰宅するとき、方向が一緒だから
同乗する。
ヤツは運転手に行き先も告げず
『今日、ホークスどやった？』
と聞く。
運転手が
『すみません、あたし野球より
サッカーが好きでして。』
と言おうモンなら。
『え～～～～～～？』
タクシーの運転手は全員が
プロ野球の結果を知ってる、
という偏見。
隣に座ったホステスが
昼間は別の仕事をしている、
と言った。
ヤツは必ずこう聞き返す。
『何で昼も夜も働くん？』
『ああ、昼の給料だけじゃ
やってけないから。』
『え～～～～～～？
海外留学じゃないん？』
昼間にOLして夜はホステスの
女は海外留学資金を貯めている、
という偏見。
私の出身地が北九州市小倉北区と
聞いた時の彼のリアクション。
『え？ 発砲事件、生で
見たことあります？』
『いや、ニュースでしか
観た事ないよ。』
『え～～～～～～？
あんなにヤクザ多いのに～！』
小倉の人間は全員が発砲事件を
経験している、
という偏見。
ヤツの上司と話す機会があった。
いやあ、彼の偏見というか、
曲がった常識には正直言って
辟易としてるんですよ。
と吐露する私にヤツの上司は
こう言ってきた。
『いや、ヤマシタさん。それはまだ
ましなほうですよ。』
なんですか？まだ他にも
武勇伝があるんですか？
『あいつね、上司の私に対しても
おかしな常識を振りかざすんです。
例えばですね。』
ごくりとつばを飲む上司の
次の言葉を待つ。
『例えば、こないだなんかは、
課長、白身魚の刺身は醤油じゃなくて
塩で食べるんすよ、とか
言ってきましてね。
はっきり言ってそんなのは
どっちでもいいじゃないですか？
好きにさせろよ、って思うでしょ？
ものすごく驚いた感じで
言ってくるんですよ。』
え～～～～～～!!!!
醤油で食うんっすか～～～!!!
って言ってきたらしい。
『そんで昨日はうどんですよ、うどん。』
『何ですか？うどんって』
『博多は実はうどんの発祥の地だ。
だから、締めはラーメンよりも
うどんの方がいい。ですって。』
『ああ、それは・・・』
『でしょ？ もうね私はね
うるせえって思いました。』
『でしょうね。』
『いちいち、｢え～～～？｣って
驚くんですよ。自分にとっての
非常識を目の当たりにすると。
でも、その大半が別にどっちでも
よかろうが？って事なんすよ。
つまり、小さいんですよ、あいつ。』
『ああ、私も何度も言われましたよ。
｢え～～～？｣って。』
『だから、私は昨日はさすがに
言ってやりましたよ。
お前はうるせえから今日は
割り勘な、って。』
『何て言ってました？』
『え～～～～～？って。』
ヤッパリ
合掌