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クラスで一番おとなしい

目立たない存在の

男の子が居た。

 

彼は誰とも口を利かず

一日中、机に向かって

絵を描いていた。

 

中学1年のときに同じクラス

になったことで彼の存在を

知ったのだが、同じ小学校

に通ってた奴等は彼のことを

変人扱いしていた。

 

彼の綽名は”馬”だった。

 

ある日の席替えで

馬の隣の席に誰が

座るんだ!ってことになり

みんなが嫌だ嫌だと

騒ぐ中、ヤマシタは自分から

彼の隣を選んだ。

 

窓際の後ろから2番目に

彼が座り、ヤマシタはその右隣を

選んだ。

 

クラスの他の子達は

『サトル、根暗が移るぞ』

と揶揄したが、ヤマシタは

 

『俺は、ここがいいんだ』

 

と主張を変えなかった。

 

クラス中に安堵の息が

もれたことは確かだった。

 

ヒデオも手を挙げ

 

『じゃ、俺はここ。』

 

と馬の後ろの席、

つまり窓際の一番後ろを

選んだ。

馬の前の席にはチヅルという

女の子が座った。

 

彼女は小学校から彼と

同じクラスで面倒見の良い

女の子だった。

 

相変わらず馬は口を利かず

目もあわせないが、

それでも山下たちは懸命に

話しかけていた。

 

昼休みになり、昼食を

食べるときも4人は一緒だった。

 

でも馬は自分の弁当を

隠すように食べていた。

 

ヒデオがある時、馬に

こっそりとエロ本を渡した。

 

『馬、しゃべらんでいいけ

これ見とけ。』

 

馬は初めてヒデオと

目を合わせた。

 

そして照れたように

コクリと会釈しエロ本を

受け取った。

 

英語の授業で宿題を忘れてきた

ヤマシタは馬に、

『なあ、馬。宿題見せてくれ』

と頼んだ。

 

馬は無言でノートを

ヤマシタに差し出した。

 

チヅルが焼いてきたクッキーにも

手を出して、一緒に食べるように

なってきたある日、思い切って

ヤマシタは馬に聞いてみた。

 

『なあ、馬はなんでしゃべらんと?』

 

馬はそれでも無言だった。

 

チヅルによると馬は小2の

時に転校してきて、それ以来

まだしゃべった姿を見たことが

ないらしい。

 

じゃあこうしよう

 

とヒデオが言い出した。

 

『馬はこれから、言いたいこととか

俺たちとの会話をノートに書け。

オレ達はそれを読むんよ。

そしたら会話になるやん。』

 

馬は無表情のまま机の中から

ノートを出して、そこに書いた。

 

『それならいいよ』

 

3人は馬が心を開いてくれた事に

心がウキウキする気分だった。

 

ある日の昼休み、キョウイチが

ヒデオとケンカを始めた。

 

原因はキョウイチがヒデオに

 

『お前等、馬と一緒におるけ

馬菌がついとる、あっち行け』

 

と言ったことらしい。

 

ヤマシタがトイレから戻ると

キョウイチの上にヒデオが

馬乗りになりバカスカ殴って

いるところだった。

 

ヤマシタは二人を仲裁した。

 

『やめろって。先生が来るぞ。』

 

二人を何とか引き離し

ケンカを止めた。

 

キョウイチは捨て台詞のように

『サトルとヒデオは村八な!』

とみんなに宣言した。

 

ヒデオはその言葉に更に

腹を立て、周りの静止を

振り切ろうとした。

 

ちょうどそのとき先生が

来たのでそのときはそれで

終わった。

 

自席に戻ったヒデオは

ふてくされて寝てしまった。

 

馬はノートをヤマシタに渡した。

 

そこにはこう書いてあった。

 

『ぼくと仲良くするとみんなに

迷惑がかかる。』

 

ヤマシタは馬に小さな声で

『そんなこと気にするな。』

言った。そしてノートを

チヅルに渡すと、チヅルも

『そうよ、キョウイチが悪いんよ。』

と同意した。

 

次の日から馬は弁当を

隠さなくなった。

 

馬の弁当はいわゆる日の丸

弁当で白いご飯に梅干が

一つだけ乗っていた。

 

ああ、恥ずかしいから

隠してたんだと3人は

理解した。

 

3人は馬の心が少しずつ

開いているのを感じた。

 

ツヅク

 

 

合掌



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