396発目 2対8の話。



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ライナーノーツ





ぎまん【欺瞞】
うそをついてだますこと
例「-に満ちた人生」

 

 

世の中は欺瞞に満ちている。

 

遠い記憶を辿ると

私が欺かれたのは

小4のときだ。

 

夏休みを目前に控えた

1学期の終わり。

忘れもしない7月20日だ。

 

今年からは海の日とか言って

休日になってるが当時は

何の変哲もないただの平日だった。

 

珍しく朝食のテーブルに

父の顔を見た。

 

よお!っと軽く右手を上げて

父は私に微笑みかけた。

 

私はめったに顔を合わさない

父に対して多少の戸惑いを

感じながらも照れを隠すように

おはようと言った。

 

『久しぶりやの?

勉強、がんばりよるか?』

 

そう尋ねる父に対し私は

うなずくだけで肯定した。

 

口を利かない私にあきれるでもなく

父は尚も話しかけてくる。

 

『今日は何の日か知っとうか?』

 

私は首を横に振り

否定する。

 

知らん。

 

『今日はお前、ジャッキーチェンの

命日やろうが!7回忌ぞ。』

 

え?

 

それは知らなかった。

 

ようやく私は父に対して

声を出した。

 

『ホント?ジャッキーは

いつの間に死んだん?』

 

『そらあ、お前、7回忌やけ

7年前やろうも。』

 

え?でもこないだも映画で

クレイジーモンキーやった

ばっかりやん!

 

その年の春に私はいとこと

ジャッキーの新作である

クレイジーモンキー~笑拳~

を映画館で観たばっかりだった。

 

 

『そんなもん、再放送やろうもん。』

 

幼い私は映画館で再放送が

あるのかどうかも知らず

ましてやリバイバルなんて

言葉すら知らなかったので

父の言葉を信じた。

ただ、あとになって分かったのは

そのときのジャッキー映画は

リバイバルでなく正真正銘の

新作だった。

 

だが、私はそのときはあせった。

 

これは一大事だ。

 

私は学校に着くや否や

クラスメイトに言いまわった。

 

 

『ジャッキーは死んどるんぞ。』

 

当然、誰も信じてくれなかった。

 

『そんなわけなかろうもん。』

『サトルはうそつきや。』

『あごしや!(*注)』

 

私は散々、みんなに罵倒された。

 

心の優しいハッセンという

友人が私に近づき

そっと真相を教えてくれた。

 

『サトル、それはジャッキーじゃなく

ブルースリーと思うよ。』

 

私は父が間違いを教えたことを

全員に釈明する気迫すら

失ってしまった。

 

がっくりとうなだれて

帰宅し母にこのことを告げた。

 

『父ちゃんにウソつかれた。』

『学校で恥をかいた。』

『もう学校に行きたくない。』

 

すると母は意外にも私に

 

『それ以外もウソばっかり

言いよるやろうが。』

 

と一蹴した。

 

だから、気にすることはないと。

 

 

その一言ですっかり気が軽くなり

私は翌日からも元気に

登校した。

 

ただ、父との関係は

ギクシャクしたままだった。

 

 

あれから35年。

 

私はまだ嘘つきの人生を

歩み続けている。

 

世の中は欺瞞に満ちている?

 

 

いいえ。

 

 

ヤマシタは欺瞞に満ちている。

欺瞞に満ちた人生だ。

 

 

そう。

 

 

死んだじいちゃんの教えの通り

私が語る話は2割がウソで

残る8割が冗談なのだ。

 

 

そんな私が気に入った女性に

 

『君だけを愛している』

 

と言っても信じてもらえないのは

 

もはや自明の理だ。

 

じめいのり【自明の理】
あれこれ説明する必要の
ない明白な道理。
それ自身で明らかな論理

 

タマニホントウノコトヲイウ

 

合掌

 

(*注)あごしとは福岡の方言で
ウソをつく人の事。
詳細はこちらをご参照ください。
173発目 メッキがはがれる話。



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