367発目 じいちゃんの反撃の話。



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宗像大社





名前を出すと問題になりそうなので

ここでは、あえて伏せよう。

 

死んだじいちゃんがまだ

元気だった頃のことだ。

 

福岡市と北九州市のちょうど

中間地点にある某有名神社に

お参りに行った。

 

オレがまだ中学生の頃だ。

 

母ちゃんの弟、つまり

オレから見たらおじさん、が

車を買った。

 

それを見たじいちゃんが

 

『お祓いは、したんか?』

 

と尋ねたら、おじさんが

 

『そんな面倒なことは

してない。』

 

と言った。

 

じいちゃんは怒った。

 

そんなことでどうする。

 

よおし、ワシがオススメの

神社に行ってお祓いを

してもらおう。

 

銭はワシが出しちゃる。

 

 

と、勢い込んで出発した。

 

そうして到着したのが

じいちゃんがオススメの

神社だった。

 

『よおぃ。誰かおらんか?』

 

境内に向かって大きな声を出す。

 

大声に気づいた神社の

関係者が近づいてきた。

 

『どうされました?』

 

『おう。あんの、ワシの

せがれが車を買うたんじゃ。

そんでの、事故やら起こさんように

お祓いしてもらおうっちゆうての、

わざわざ小倉から来たんじゃ。

お前んとこはあれやろ?

事故の神様やろが?』

 

と当時中学生のオレが聞いてても

不躾な、ぞんざいな口調で

尋ねた。

 

神社の関係者と思しき人は

それでも冷静ににこっと笑って

 

『はいはい。安全祈願ですね。

どうぞこちらで承ります。

あっ、お父さん。

ちなみにウチは交通安全の

お神様を祭ってはいますが

事故の神様じゃありませんよ。』

 

そりゃ、そうだ。

 

よく考えたら事故の神様って

なんだよじいちゃん!

 

『ワッハッハッハ!

それもそうやの。

よっしゃ、ほんじゃやってもらおうか!』

 

とお祓いをしてもらった。

 

儀式は滞りなく進み、

無事に交通安全の祈願は

終了した。

 

全ての儀式が終了したときに

巫女さんが紙袋を持ってきた。

 

中にはお守りやお札や

もろもろのめでたそうな品々が

入っていた。

 

おじちゃんは早速、

お守りをフロントガラスのところに

貼り付けた。

 

夕方の渋滞も重なって

小倉のじいちゃんの家につく頃には

あたりは、すっかり暗くなっていた。

 

じいちゃんの家は国道3号線と

国道10号線の交差点の近くにあり、

とても交通量が多かった。

 

 

やっとの思いでじいちゃんの家に

到着し車を止めたら、そこに

別の車が突っ込んできた。

 

ドカンと大きな音がし、

オレ達は驚いた。

 

ちょうど車を降りた直後だ。

 

大きな音に振り返ると

買ったばかりで、しかも

お祓いしてもらったばかりの

おじちゃんの車の後ろに

知らない車が突き刺さっていた。

 

『何じゃ~!』

 

じいちゃんは知らない車に

駆け寄った。

 

『おう、こら、お前!

何、してくれよるんじゃ!

出て来んか!こら!』

 

と、そりゃあもう、

どえらい剣幕だった。

 

おじちゃんが間に入って

じいちゃんをなだめ、そして

それから警官を呼び、

事故の処理をした。

 

家の中に入ったじいちゃんは

それでも腹の虫が収まらない

様子だった。

 

晩御飯を食べた後、

オレを呼びつけて

焼酎を飲みながらこう言った。

 

『よい、サットリ。

あの神社にはなんぼ

払ろたんかの?』

 

『さあ、1万円くらいやない?』

 

『ほうか。全然効き目が

無かったの。高いもんに

ついたわい。』

 

『でもさ、あそこの神社は

じいちゃんのオススメなんやろ?』

 

『ほうじゃ。忘れとったわ。

あんのクソガキ。文句のひとつも

言うてやらんにゃ気が済まんど。』

 

どうやら、じいちゃんに

その神社を薦めたのは

商店街の魚屋の息子だったらしい。

 

じいちゃんは魚屋に電話して

文句を言おうとしている。

 

『よい。マサカツはおるか?

おう、お前か。あんの、

お前がこないだワシに

車の事故の神様がおるっちゅうて

教えたあの神社の。あれ、お前

イッコも効き目ないやんか!

われ、ガセつかませたの?』

 

ところがどうやら向こうも

反撃に出たようだ。

 

『おう、おう。ほうじゃ

宗像の・・・は?ん?

下関?赤間神宮か?

ありゃあ、そっちやったかいの?

ほんじゃ、なんか、ワシが

まちごうとったんか?』

 

電話のやり取りを聞いてたら

どうやらじいちゃんが間違って

オレ達を違う神社に連れて

行ったようだ。

 

『サットリ、ちごうちょったわ。

マサカツがワシに教えたんは、

赤間神宮やったわい。

しもうたの。え~いくそ。

なんか反撃しちゃらな

腹が収まらんど。』

 

とはいえ、起きた事故は

どうしようもない。

 

しばらくするとおじちゃんは

このお守りじいさんにやるわ

と言い、神社でもらった

紙袋を一式おいて自宅へ

帰っていった。

 

オレは次の日も休みだったので

じいちゃんちに泊る事にした。

 

次の日、昼ごろ起きだして

メシを食っていたら、

じいちゃんから競輪にでも

行こうかと誘われた。

 

ああ、そうやね、暇やし。

 

とオレは二つ返事で合意した。

 

『ばあさ~ん、ちょっと

サットリと出かけてくるわ。』

 

そういって玄関の敲きで

ぞうりを履いていたら

外で大きな音がした。

 

ガッシャ~~~~~ン!

 

慌てて玄関ドアを開けると、

目の前の道路で自動車の事故が

おきていた。

 

『ありゃあ、やったわ!』

 

じいちゃんは目を丸くして

驚いていた。

 

そして、はたと何かに気づいたように

オレのほうへ向き直り

『サットリ、あのお守り持って来い!』

と命令した。

 

オレは訳が分からず、言われるまま

家の中に戻り昨日のお守りを

持ってきてじいちゃんに渡した。

 

 

じいちゃんは事故をした車に

近づきながら、運転手達に

話しかけている。

 

『ありゃりゃりゃ、あんたたち

怪我はないね?警察呼ばな

いかんわ、こりゃ。』

 

そういいながら事故の現場に

そっとお守りを落としてきた。

事故の当事者達は気づいてない。

 

オレが待つ玄関前に戻ってきた

じいちゃんは薄ら笑いを浮かべ

オレにこう説明した。

 

『事故の現場にあの神社の

お守りが落ちとったら、

評判が下がるじゃろ?

かっかっか!』

 

見事、じいちゃんの反撃は

成し遂げることが出来た。

 

もし今、じいちゃんと会話が

出来るなら聞いてみたいことがある。

 

じいちゃん、今あんたがおるのは

地獄ね?天国ね?と。

 

バチアタリ

 

合掌

 

 

 



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