331発目 老人の話。



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ライナーノーツ





学校の隣に頑固ジジイがいた。

 

何かにつけ、我々中学生を

捕まえては説教をすることで

有名なジジイだった。

 

当時の僕はバレー部に所属していて

体育館で練習できる日は週に

二度だけだった。

そのため、それ以外の日は

サブグランド、つまり外で

練習するのだが、その

サブグランドの隣には

そのジジイの家があった。

 

ある時、僕の打ったスパイクが

すっぽ抜けてジジイの家まで

飛んで行った。

 

まずいな・・・

説教されるな。

 

先輩たちは助けてくれない。

 

サトル、お前が行って来い。

 

と一言で片づけられた。

 

まあ、大丈夫だろうと

楽観的に考え、僕はジジイの家の

呼び鈴を押した。

 

一度目は反応がなく留守かと

思ったがもう一度ベルを鳴らした。

 

『うるさいな!聞こえてるよ!』

 

ジジイは玄関のすぐそばまで

来ていたようだ。

 

『何だ?隣の中学生か?』

 

『ごめんね、じいちゃん。

ボールが入ったけ、庭に入っていい?』

 

僕はなるべく砕けた感じで

そう尋ねた。

 

するとジジイは顔を真っ赤にして

明らかに僕に対して敵意を見せた。

 

『何だ!その口の利き方は!

それが目上の人に物を頼む

態度か?ったく最近の若モンは!』

 

僕はひるまなかった。

ボールを取りたいだけなんだと

取ったらすぐに帰るからさ、と。

でもジジイは1歩も引かなかった。

 

『おい、若モン!お前は

一体、学校で何を勉強している?

敬語を知らんのか?』

 

『敬語?習ってないね。』

 

僕はとぼけて見せた。

 

実際、僕のいた地域では

目上の人にはっきりと敬語を使う

習慣がなかった。

僕はバレー部の先輩にも

敬語は使わなかったし、

名前を呼ぶ時もさん付けする

くらいだった。

 

『何だと!敬語を習ってない?

ウソをつくなウソを!!

最近の若モンはすぐにばれるウソを

つく。困ったもんだ。』

 

『最近の年寄はすぐにばれない

ウソをつくんか?』

 

『きいぃぃ!まだ言うか!』

 

と言った後、一呼吸置き

こう言った。

 

『この若モンが!』

 

あれ?

このジジイ、間違ったな。

思わず笑ってしまった。

 

ジジイも自分の間違いに

気が付いたのか少しだけ

恥ずかしそうにした。

 

『何だ?じろじろ見るな。

さっさとボールを取りに行きなさい。』

 

自分の間違いの恥ずかしさのあまり

ジジイの方から折れたてきた。

 

僕はちょっとうれしくなって

ボールを取ってもう一度門を出るときに

 

『じいちゃん、ありがとね!』

 

と笑顔で手を振った。

 

そのときもジジイは恥ずかしそうに

していたが、ぽつりとつぶやいた

一言は聞き逃さなかった。

 

 

『ったく、最近の馬鹿モンは。』

 

アア、ギャクギャク

 

合掌



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