326発目 別の呼び名の話。



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ライナーノーツ





隣の町内に空き家があった。

 

窓は割れており、落書きもすごく

家主は夜逃げしたという

もっぱらのうわさだった。

 

当時小学生だったボクらには

夜逃げの意味がわからず、

友人同士ではこの家で

殺人事件があったと

うわさしていた。

 

夏休みのある日、

公園でいつものように

野球をして遊んでいた。

 

ボクらのチームのヒデトが

送りバントを失敗し、逆転の

チャンスをつぶしたことで

負けた。

 

マサキがヒデトを罵倒する。

 

お前のせいで負けたやないか!

 

ヒデトはしゅんとなり、

ごめんね、ごめんねと繰り返す。

 

マサキはヒデトに、許して欲しければ

お化け屋敷に一人で行け。

 

と、とんでもない命令を下した。

 

そこにいたボクとナオキは

いや、それはいくらなんでも

ひどすぎないか?とマサキに

進言した。

罪の重さと罰の重さの

バランスが悪いぞと。

 

マサキはそれでも気が治まらず

絶対にヒデトには罪を

償わせると言い張る。

 

解散後、自宅で夕食を摂り

もう一度、夜の7時に集合した。

 

4人で自転車を駆り、例の

空き家へ向かう。

 

あたりはまだ、暗くなってなかったが

とても気味の悪い雰囲気を出していた。

 

マサキがヒデトにさあ、行け!と

背中を押す。

 

ヒデトは泣きそうな顔をして

縁側の割れた窓から入っていった。

 

入ってしばらくしてもヒデトは

声一つあげず、家の中は

ヒデトの持っていった懐中電灯の

明かりがゆらゆらと揺れるだけだった。

 

 

ナオキとボクは心配になり、

マサキにこう言った。

 

『俺たちで助けに行っていいか?』

 

マサキはしょうがないなという

顔をし、じゃあ行って来いと

あごを家に向けた。

 

ボクもナオキもとても怖かった。

 

懐中電灯はヒデトしか持っておらず、

真っ暗な廃墟の中を手探りで

ヒデトの姿を探した。

 

1階は家財道具がほとんどなく

雑誌や洋服や新聞紙が散乱している。

 

空き缶やタバコの吸殻の残る階段を

2階へと進んだ。

 

2階の階段を上りきった正面の

ドアの隙間から光が漏れていた。

 

そっとドアを開ける。

 

『ヒデ、おるんか?』

 

そっと声をかける。

 

『シッ!!!』

 

ヒデトがこちらを振り返り

人差し指を口に当てた。

 

『マサキは?』

 

『下で待っとう。』

 

『じゃ、サトルとナオキだけ?』

 

『そうぞ。お前が腰を抜かしとるかと

思って心配になって助けに来たんよ。』

 

『じゃあさ、来てん、これ見てん。

マサキには内緒ね。』

 

ヒデトが懐中電灯の光を向けたところには

大量のエロ本が捨ててあった。

 

ボクらは恐怖も忘れ、歓喜の

雄たけびを上げそうになった。

 

『絶対、マサキに言うなよ。

あいつ、いっつも俺のこと馬鹿にして。

だけ、これの存在は教えんと。

俺ら3人の秘密にしようぜ。』

 

ボクらはそのあと、家を出る前に

もう一度、昼間に来てこのエロ本を

どこか別の場所に移そうと

話し合った。

 

外で待つマサキには、殺人事件の

現場はなかったぞ、あれはウソだ。

と報告し、ヒデトのお仕置きは終わった。

 

後日、マサキを除く3人で

昼間の明るい時間にお化け屋敷を

訪れた。

 

前回の件があるので3人は

誰もビビッてなかった。

 

縁側から入り、一目散に

エロ本部屋を目指した。

 

持ってきた手提げ袋に

エロ本を詰め込むだけ詰め込み

自転車のかごに入れて

公園の隅に建つ児童館に

持って行った。

 

児童館の書庫には

百科事典がたくさんあり、

ボクらはその箱入りの辞典を

全て取り出し中身をエロ本に

すり替えた。

 

これで誰にもばれない。

 

箱から出した百貨辞典は

お化け屋敷に持っていった。

 

ボクたちの作戦は完璧だと

思われた。

 

夏休みの後半は毎日のように

エロ本を堪能した。

 

2学期になり、全校集会で

児童館の百科事典が盗まれた

ことが報告された。

 

校長先生の話でボクらは

エロ本のもう一つの呼び名を

知ることになった。

 

イカガワシイザッシ

 

合掌



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